2007年10月29日月曜日

リンデンラボ社発表の9月のKey Metricsより

少し遅くなりましたが、セカンドライフの公式ブログで、9月のKey Metricsが発表されましたので、その中からいくつかの項目をピックアップしてご紹介します。

★総利用時間


9月の総利用時間は2,413万8,413時間。前月比で2.9%増加しました。


★住民数、ユーザー数、プレミアム会員数の推移

9月末の住民数は959万6,742人でした。住民数というのは個々のアバターの数です。一人のユーザーが複数のアバターを持つ場合あります。


9月末のユーザー数は673万6,832人、 プレミアム会員数は9万1,054人でした。プレミアム会員数だけの推移を表わしたグラフは次のとおりです。


対前月比の増加率は、住民数が3.7%、ユーザー数が9.3%、プレミアム会員数が0.5%でした。

対前月比の増加率は、前の月比べて、住民数とプレミアム会員数については減少していますが、ユーザー数については、上昇しています。


★性別比(アカウント登録時に申告した性別)

アカウント数による男女比の推移は次のとおりです。
9月は男性が72.49%、女性が27.51%でした。


利用時間による男女比の推移は次のとおりです。
9月は男性が57.75%、女性が42.25%でした。


時間数と人数については実数も提供されてますので、男女別に平均利用時間を出してみると、男性が21.2時間であるのに対し、女性は40.9時間となっています。


★アクティブ・レジデンンツ全体および国別

国別のアクティブ・レジデンツ(1ヶ月間のログイン時間が1時間を超える住民)の上位10カ国は次のとおりです。


日本のアクティブ・レジデンツの数は3万5,841人。人数では第4位となりました。先月の第2位から順位を下げています。実数でも8月が4万1,709人でしたので、14.1%減少しています。

利用時間では第3位で、8月の順位と同じです。実数では、8月が175万410時間、9月が199万3,056時間と増加しています。対前月比の伸び率は、13.9%でした。

日本人の平均利用時間は、8月が42.0時間でしたが、9月は55.6時間と、大幅に増加しました。 

アクティブ・レジデンツ全体の合計は、人数が51万6,149人、利用時間数が2,400万909時間でした。

対前月比では、人数が4.4%減少しましたが、利用時間数が3.0%増加しています。したがって、平均利用時間は前月の43.1時間より増加し、46.5時間となっています。


★アクティブ・レジデンツの年齢層別割合


年齢層別割合は、先月と比較して目立った変動はありませんでした。

年齢層別の平均利用時間を見てみると、年齢が高くなるにつれて、平均利用時間が長くなっていることがわかります。全体の平均利用時間が46.5時間ですので、45歳以上の年齢層の平均利用時間が64.1時間と、他の年齢層と比べてかなり長いことがわかります。


★マネーサプライ


9月末のマネーサプライは、35億8,129万4,930リンデンドル、日本円に換算して 約15億2,500万円でした。(1米国ドル=268.2207リンデンドル=114.21円)

対前月比の増加率は6.2%でした。

なお、今回発表されたキーメトリックスと、前回のキーメトリックスとでは、8月末の残高の数字が違っていました。

今回のキーメトリックスにおける8月末残高は33億7,284万8,267リンデンドルでしたが、前回発表のキーメトリックスにおける8月末残高は33億8,016万7,063リンデンドルでした。リンデンドルの取引はコンピュータで自動集計されているはずですが、システムが時々トラブルを起こしますので、それを原因とする修正かも知れません。


★リンデンドルの為替市場(LindeX)

リンデンドルの為替市場(LindeX)の取引高の推移は次のとおりです。


9月のリンデンドルの為替取引高は17億9,502万5,178リンデンドル、日本円にして約7億6,400万円。対前月比で1.0%の増加となりました。

なお、前述のマネーサプライと同様に、取引高の8月の数字が、今回のキーメトリックスでは変更になっています。前回のレポートでは、8月の対前月比を3.4%の減少とお伝えしましたが、今回のキーメトリックスに基づいた、8月の対前月比は9.1%の減少でした。

リンデンラボ社の新規発行売却高は1億5,229万8,936リンデンドル(約6,500万円)。

対前月比では、251.8%の大幅増加となりました。これは、グラフからわかるとおり、8月の落ち込みが激しかったためで、9月は以前の水準に戻ったというところでしょうか。


★土地


9月末の土地の合計面積は、871.32平方キロメートル。うち、メインランドが184.57平方キロメートル、プライベートアイランドは686.75平方キロメートルでした。

対前月比の増加率は、全体では3.8%の伸び。プライベートアイランドは、5.6%増加しましたが、メインランドは2.6%減少しています。

メインランドの土地が減少したのは、統計データが提供されている期間の中では初めてのことです。

なお、9月にはオークションで売却された、シム単位の広さの土地の物件数が極端に減少しました。8月が351物件だったのに対し、9月は54物件でした。

また、9月中にはオークションのシステムが変更になりました。変更前、オークションの落札価格は下落傾向にあり、変更前の平均落札価格は1,500米国ドル前後でしたが、変更後は落札価格が上昇し、落札価格が2,500米国ドルに達する物件もでました。


★まとめ

9月の主な動きとしては、総利用時間数が上昇に転じたこと、アクティブ・レジデンツの人数が2ヶ月連続して減少したものの、利用時間数が上昇に転じたこと、リンデンラボ社によるリンデンドルの新規発行売却高が以前の水準に戻ったこと、メインランドの土地が減少したことです。

また、日本人については、人数は減ったものの、総利用時間が伸びており、アクティブ・レジデンツ全体の総利用時間の対前月比増加率3.0%を大幅に上回る、13.9%の伸びを見せました。

ところで、7月25日にはギャンブル禁止令が実施されましたが、リンデンラボ社のJohn Zdanowski (Zee Linden, CFO of Linden Lab)によれば、ギャンブル禁止令のマネーサプライへの影響は3%だったとのことです。
ソース:SLNN 
Virtual Worlds Fall 07 currency panel speaks about virtual currency, real regulations

2007年10月6日土曜日

リンデンラボ社発表の8月のKey Metricsより

少し遅くなりましたが、セカンドライフの公式ブログで、8月のKey Metricsが発表されましたので、その中からいくつかの項目をピックアップしてご紹介します。

★総利用時間


8月の総利用時間は2,345万5,451時間で、対前月比で0.8%低下しました。総利用時間が減少したのは、2006年2月以来のことです。


★住民数、ユーザー数、プレミアム会員数の推移


8月末の住民数は925万2,781人でした。住民数というのは個々のアバターの数です。一人のユーザーが複数のアバターを持つ場合あります。

8月末のユーザー数は616万4,951人、 プレミアム会員数は9万600人でした。プレミアム会員数だけの推移を表わしたグラフは次のとおりです。


対前月比の増加率は、住民数が8.2%、ユーザー数が8.0%、プレミアム会員数が2.0%でした。

対前月比の増加率は、住民数、ユーザー数ともその前の月よりも減少しています。なお、プレミアム会員数については、7月に処理方法の変更による一時的減少がありました。


★性別比(アカウント登録時に申告した性別)

その月にログインした住民の人数による男女比の推移は次のとおりです。

8月は男性が74.13%、女性が25.87%でした。

その月にログインした住民の利用時間による男女比の推移は次のとおりです。

8月の男女比は男性が57.92%、女性が42.08%でした。

時間数と人数については実数も提供されてますので、男女別に平均利用時間を出してみると、男性が18.8時間であるのに対し、女性は39.2時間となりました。


★アクティブ・レジデンンツ全体および国別
 
国別のアクティブ・レジデンツ(1ヶ月間のログイン時間が1時間を超える住民)の上位10カ国は次のとおりです。


日本のアクティブ・レジデンツの数は4万1,709人。人数では第2位となりました。先月の第3位から順位を上げてますが、実数では7月が4万4,847人でしたので減少しています。

利用時間では第3位で、7月の順位と同じです。実数では、7月が156万3,899時間であったのに対し、8月は175万410時間と増加しています。

日本人の平均利用時間は、7月が34.9時間でしたが、8月は42.0時間と増加しました。 

アクティブ・レジデンツ全体の合計は、人数が54万151人、利用時間数が2,330万913時間でした。対前月比では、人数が3.8%減少、利用時間数が0.7%減少となっています。 平均利用時間は43.1時間でした。


★アクティブ・レジデンツの年齢層別割合

年齢層別では、先月と比較して目立った変動はありませんでした。

アバター数、利用時間数ともに実数が提供されていますので、今回はそれを元に、年齢層別の平均利用時間を算出してみました。45歳以上の年齢層の利用時間が60.6時間と、他の年齢層と比べて長いことがわかります。


★マネーサプライ

8月末のマネーサプライは、33億8,016万7,063リンデンドル、日本円に換算して 約14億6,600万円でした。(1米国ドル=268.7464リンデンドル=116.58円)

対前月比の増加率は3.6%でした。

なお、リンデンラボ社がmoney supplyという用語を使用していますので、当ブログでもそれに倣ってマネーサプライという用語を使用していますが、実際にはマネタリーベースに近いものです。

セカンドライフには、すでに銀行が複数行存在し、貸し出しを行っていますので、本来の意味でのマネーサプライもあるはずなのですが、銀行の実態を把握するのが困難なため、それを算出するのは困難です。


★リンデンドルの為替市場(LindeX)  

リンデンドルの為替市場(LindeX)の取引高の推移は次のとおりです。

8月のリンデンドルの為替取引高は18億8,812万2,014リンデンドル、日本円にして約8億1,900万円。対前月比で3.4%の減少となりました。

リンデンラボ社の新規発行売却高は4,328万7,003リンデンドル(約1,900万円)。対前月比で72.8%の大幅減少となりました。

なお、リンデンドルから他通貨への両替を扱っているのはLindeXだけではありません。主なところでは、ショッピングサイトであるSL Exchangeや、銀行サービスを提供しているapezなど。そのようなところの取扱高は不明ですので、為替市場全体の規模を把握するのは、現在のところ不可能です。


★土地

8月末の土地の合計面積は、839.72平方キロメートル。うち、メインランドが189.41平方キロメートル、プライベートアイランドは650.31平方キロメートルでした。

対前月比の増加率は、全体では7.7%の伸び。メインイランドの増加率が6.0%、プライベートアイランドの増加率が8.2%でした。プライベートアイランド、メインランドとも、対前月比の増加率は、その前の月より減少しています。


★まとめ

8月は、総利用時間数の減少、アクティブ・レジデンツの人数および利用時間数の減少、リンデンラボ社によるリンデンドルの新規発行売却高の大幅減少が目に付きます。

これらの要因として考えられるものは次のとおりです。

7月25日のギャンブル禁止令実施
サマーリセション・・・夏にバカンスに出かける人が多く、そのためセカンドライフへの接続が減った
8月上旬に起きたGinko Financialの事実上の破綻

LindeXにてリンデンラボ社が新規発行売却するリンデンドルは、市場の需要に基づいたものです。その金額が大幅に減少したということは、インワールドの経済の成長が減速していると言えるのかもしれません。

なお、7月のキーメトリックスには、パフォーマンス指標が掲載されていましたが、8月のキーメトリックスには掲載されていません。

パフォーマンスに関する指標は、Second Life Grid: Quality Metricsというページに掲載されています。