2007年3月13日火曜日

セカンドライフの経済

Second Life内の有名デザイナー、Simone Sternの口座がハッキングされ、彼女の口座から400,000リンデンドル (米ドル換算で約1,500ドル、日本円で約17万3000円)が盗まれたことが、3月11日付けのSecond Life Heraldで報じられていました。
どのくらいの期間で貯めたお金かはわかりませんが、セカンドライフ内の物価を考えると、結構な金額に感じられます。

セカンドライフの経済規模については、私自身、今まで、はっきりとは把握してませんでしたので、リンデンラボ社が今までに公開したデータを元に、具体的な数字を見ていこうと思います。

リンデンラボ社が発表している最新の経済データはこちら
同社が2月に発表した、Key Metrics(主要データ)はこちら

まずは、マネーサプライから。(以下、1リンデンドル=270米国ドル、1米国ドル=117.32円で計算)

リンデンドルの月末残高 (円換算額)
2006年1月  251,668,589 円
2006年7月  353,896,891 円
2007年1月  726,541,823 円

リンデンドルという通貨自体の流通量は、7億円くらいなのですね。昨年1月末の数字と比較すると、1年の間に約3倍近くに増加していることがわかります。

通貨が増えるもとは、有料会員に毎週支給されるstipendと、リンデンラボ社が為替市場で売ったリンデンドルです。ちなみに、2007年2月の1ヶ月間に支給されたstipendの額は、日本円にして約5,160万円、為替市場で同社が売ったリンデンドルの額は約9,250万円でした。

さて次に、セカンドライフの住人はどのくらい儲けているのでしょうか?

リンデンラボ社は、セカンドライフ内でビジネスをして儲けている住人の推定人数を発表しています。2007年2月の月間データは次のとおりです(収入金額は米国ドルに換算されたものです)。収入金額には土地の売買代金は含まれません。また、リンデンラボ社によるチャージが控除される前の金額です。(LL社からダウンロードしたエクセルの表のタイトルはIn_world_business_profitsとなっていましたので、営業利益にあたると思います。)

2007年2月(単位:米国ドル)
収入金額       人数
$10 未満     13,490
$10 - $50      6,625
$50 - $100     1,690
$100 - $200    1,289
$200 - $500     1,165
$500 - $1,000     496
$1,000 - $2,000   283
$2,000 - $5,000   211
$5,000 超       116

合計  25,365人

2007年1月末現在の有料会員数は57,702人ですので、上記のデータにはstipendによる収入は含まれてないものと思われます。

このデータを元にして、セカンドライフ内の経済活動の規模を、次の方法で大雑把に推定してみました。

まず、各層の中央値にあたる金額とその層に属する人数を掛け合わせた金額を層ごとに算出します。その後、全部の層の合計を出してみました。なお、最高額の層は5000ドル超となっていて、中央値はとりようがありませんので、便宜上、この層に属する人々の収入金額は5000ドルとして計算しました。

その結果は、セカンドライフ内でビジネスを行っている人々が、2007年2月中に儲けた金額の合計は、3,109,050米国ドル、日本円に換算して約3億6400万円。儲けた人ひとり当たりすると、約14,380円です。

また、同様の計算方法によって、2006年9月の分を計算してみたところ、1,247,300米国ドル、日本円に換算して約1億4600万円となりました。

私のように、収入源がキャンピングという住民は、言わば自営業者ですが、上記の表の最下層に入っているのでしょうか・・・? そんな住民から見れば、3億6400万円という数字はとてつもなく大きな金額に見えます。

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