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2007年7月19日木曜日

セカンドライフ規制強化の動き・・・その後、その1

5月31日にリンデンラボ社はその公式ブログで、児童ポルノ、性的暴力行為、暴力行為、その他露骨に不快感を与えるコンテンツに関する同社の方針を明らかにしました。

(参考エントリー:セカンドライフの規制強化の動き

その後、この規制を巡り、さまざまな動きがありましたのでご紹介します。


★規制に反対する住民の運動

リンデンラボ社は、従来の方針を変更したわけではないと主張していますが、住民側の受け止め方はこれとは異なり、規制強化、すなわち自由な活動の幅を狭めるものとして捉えました。そしてこの方針に抗議して、住民の間で次のようなグループが結成されました。

BDSM is Safe - BDSM is Not Abuse
I am for a FREE Second Life
National Coalition Sexual Freedom
First They came For...
SL Society for Expressive Freedom
Stop the Oppression
Ladies in Self Bondage
The Broadly Offensive
Moral Majority  など。

抗議活動の具体的な内容ですが、上記のI am for a FREE Second Lifeグループの場合は、自分のプロフィールの最初の部分に"I am for a FREE Second Life!" という文言を掲示する、自分の土地に抗議文の書かれた看板を設置するということを行なっています。

さて、6月初旬には、いくつかのグループを取りまとめるような形で、上部組織として、United Protestという団体が結成されました。

同団体のミッション・ステートメントには、次のように書かれています。

... aimed at keeping Second Life free from censorship and keeping it a world with full freedom of expression ...

つまり、検閲の存在しない、表現の自由があるセカンドライフにすることが同団体の使命だそうです。

ところが、設立後間もなく、United Protestの代表者であるJazhara Keonは、pedophile(幼児性愛者)であると自らの性的嗜好を明らかにした人物をグループから除名し、同時にリンデンラボ社にAbuse Report(通報)しました。

このことは同団体の公式ブログのUnited Protest *against* pedophilia(United Protestは小児性愛に反対)という投稿の中で明らかにされました。

これに対しては、幼児性愛という性的嗜好と実際の幼児虐待とは区別されるべきものであり、United Protestの取った措置は間違っているという非難の声がコメント欄に寄せられました。

この非難に対して、Jazhara Keonは次のように答えています。

As United Protest though, we may not be affiliated or associated with pedophilia, simply because it will endanger the whole operation legally.

You state: "...there is a HUGE distinction between pedophilia (legally permissable victimless thought) and child molestation (illegal and prohibited victimising action)..."That, we are fully aware of. I don't judge a pedophile, I don't automatically assume a pedophile is a childmolestor. That would be presumptious, and prejudiced. I do encourage preventive measures though, and hence point out to the proper authorities that they should be aware and vigilant. (In this case Linden Lab, since I do not know who the man is RL).

つまり、グループの中に小児性愛者が混じることは、この活動全体を法的リスクにさらすことになる、また、性的嗜好としての幼児性愛と、実際の行動としての児童虐待の間に大きな区別があることは理解しているが、犯罪の未然防止策として、当局(この場合リンデンラボ社)に通報したとのことです。

組織の安泰のために、危険分子は早めに排除するということなのでしょうが、ドイツのマスコミからエイジプレイのことでつつかれた後、規制強化の方針を明らかにしたリンデンラボ社のやり方と方向性が一緒であるような気がします。

この件で、どのくらいの人々がこの運動から離れたのかは定かではありません。United Protestは、その後も、ロビン・リンデンとの会談、抗議文書への署名活動等を続けています。

なお、Open Letterと題された抗議文書に署名した人の数は、今日現在で419名でした。同団体に属する、BDSM is Safe - BDSM is Not Abuseグループのメンバー数が1,093名、I am for a FREE Second Lifeグループのメンバー数が906名ということから考えると、運動があまり盛り上がってないような気がします。

2007年7月16日月曜日

Woodbury University シムの閉鎖

7月初頭、一つのシムがリンデンラボ社によって閉鎖されました。シムの名前はWoodbury University。

シム管理者であるTizzers Foxchaseに送付した通知の中で、リンデンラボ社は閉鎖の理由を次のように説明しています。

Woodbury University シムは不適切に使用されており、4月16日にその件について通知したが、その後も利用規約に違反する活動が行なわれている。Woodbury University グループのメンバーの多くが、グリッド攻撃、人種差別、不寛容な行動、他の住民に対するハラスメント行為を行い、不適切なスクリプトの使用によりWoodbury Universityシムをクラッシュさせた。従ってリンデンラボ社は直ちに同シムを閉鎖する。(ソース:Second Life Herald

Woodbury Universityはロサンゼルス郊外にある大学です。同大学のMedia, Culture, and Design 学部は2007年春にCO-3714 Virtual Worldsという講座を開設しました。この講座は、インターネット文化を学び、メタバースを通じてそれに触れることを目的としたものです。

Woodbury Universityシム自体は3月にオープンし、Communications学科の広告費からその費用が支払われているとのことなので、この講座と連動して作られたものだと思います。

大学に関係したシムが閉鎖されたと聞いて、私は最初、驚きました。しかし、いろいろな情報をかき集めてみると、閉鎖に至るまでには複雑な事情があったようです。

以下はSecond Life Heraldに掲載された7月8日付の記事からの情報です。情報の発信者は、同シムの元ビジターであるJanelle Kyomoonという人物です。

Woodbury Universityシムには、当初、講堂のほかに学生用のサンドボックスが開設されました。しかし、学生たちはそこを物づくりの場としてではなく、文化的な活動の場として利用し始め、4chan.orgに投稿された画像をサンドボックスに掲示したりしてました。同シムは、一般の人にもサンドボックスを開放していたため、そこに一般の4チャンネラーが集まり始め、やがて、セカンドライフのグリファー集団であるPatriotic Nigraもそこに集まるようになりました。

(今春、John Edwards候補の事務所が襲撃されましたが、それを実行したのがPatriotic Nigraではないかと言われています。ソース

4月初旬、セカンドライフの私設警察組織であるJustice League Unlimitedが、Patriotic Nigraが同シムを乗っ取ったものと思い込み、リンデンラボ社に通報しました。それを受けて、リンデンラボ社は同シムを削除してしまいました。

それを知った大学側はリンデンラボ社に電話で事情を説明し、同シムは再開されました。ただし、建物は削除されてしまい、復元されませんでした。

その後、大学側は、グリーファーたちを排除するために、Woodbury Universityグループを創設し、そのグループメンバーだけに、ビルドとスクリプト作成の権利を与えました。

以上が、同シムの元ビジターからの情報です。

また、Second Life Heraldは、7月3日付でWoodbury UniversityのMedia, Culture, and Design 学部のdeputy director(副学部長)、そして コミュニケーション学科のChair & Associate Professorでもある、Dr. Edward Cliftのインタビュー記事を掲載しています。

その中で、Dr. Cliftは、大学側は土地使用料を6か月分前払いしており、その返金はまだないこと、4月中旬に問題行為についての警告を受けたあとは、4月後半にシムを閉鎖するというthreat(脅迫)の電話メッセージをリンデンラボ社から受け取ったが、その後は何もアクションがなく、またその直後に請求書が送られてきたので、問題ないものだと思っていたことを明らかにしています。また、今回のリンデンラボ社の措置は、SL内に大学を招いておきながら、大学らしい活動をすることを制限したものであり、不合理だとも述べています。

一方、Second Life Hearldは7月10日付の記事で、大学側とグリーファー集団のPatriotic Nigraはつながっており、大学がグリーフィングに関する社会科学的実験をしていたのではないかという疑惑を報じています。

相矛盾する情報が存在し、何が真実なのか掴みにくい状況です。ただこれらの情報から、次のような問題点が浮かび上がってきます。

1. シムのオーナーは、そのシムに存在する人々の行動にどこまで責任を負うべきか? そしてその責任の取り方は?

問題行動を起こしたのは個人です。ですから、その個人のアカウントを停止すればよいと思うのですが、シム自体を削除したということは、リンデンラボ社が、シムのオーナーにその問題行動の責任を負わせたことになります。

もちろん、シムのオーナーたちは、自分のシムが平和に運営されるように、ある程度の責任を負うべきとは思います。しかし、24時間、自分のシムを監視するのは不可能です。突然グリーファーがやってきて、破壊的なスクリプトを使ってシムをクラッシュさせたような場合、それを未然に防ぐのは不可能です。

シムのオーナーも、リンデンラボ社側も、シムが平和に運営されることを望んでいるわけですから、シム閉鎖という強硬手段を取るのではなく、双方が協力して、問題行動を排除していくような方策が取れたのではないかと思います。

2. シム閉鎖に至るまでに、リンデンラボ社側の対応に問題はなかったのか?

1度目の閉鎖は、私設警察組織であるJustice League Unlimitedの通報をきっかけとして行なわれたものですが、リンデンラボ社は、Justice League Unlimitedの言い分を鵜呑みにしてシムを閉鎖してしまったようです。閉鎖する前に、オーナー側の言い分を聞くべきだったのではないでしょうか?

2度目の閉鎖については、情報が十分ではないため、よくわかりません。ただ、Dr. Cliftがインタビューの中で、「4月後半にシムを閉鎖するというthreat(脅迫)の電話メッセージをリンデンラボ社から受け取った」と述べています。彼がthreat(脅迫)という言葉を使用したことから推測して、1度目の閉鎖の時に、何か感情的な行き違いがあったのかもしれません。1度目の閉鎖のとき、大学側は建物を失っており、実質的に損害を被っています。それに対する補償が何もなかったのかもしれません。

3. シムをクラッシュさせたことは、利用規約違反にあたるのか?

2度目の閉鎖の時に、リンデンラボ社は、シムをクラッシュさせたことを理由の一つに挙げています。このシムで、どのようなスクリプトが使用されたのかは定かではありませんが、スクリプトが不適切なのではなく、インフラの方が貧弱なのではないでしょうか。

例えが極端かもしれませんが、非常に壊れやすい商品を提供しておいて、消費者が普通の使い方をしていてその商品を壊してしまった場合に、壊れた責任を消費者に押し付けるようなものかもしれません。

Woodbury Universityシム閉鎖の件については、また新しい情報が出たときにお伝えします。

2007年6月12日火曜日

eBayでリンデンドルを購入した人が、アカウント停止に!

先日のエントリーで、リンデンドルがeBayで売りに出されていることをお伝えしました。その中で、それらのリンデンドルが素性の良くないものではないかということを書きましたが、それに関連すると思われる事実がThe AvaStarの25号に掲載されていましたので、ご紹介します。

同誌のResidents Lose All in eBay Banという記事で、eBayでリンデンドルを購入したユーザが、アカウント停止措置を受けたことが報じられています。具体的な事例は次のとおりです。

Chantal Odellの場合: eBayで10,000リンデンドルを購入し、うち6,000リンデンドルを受け取ったあと、アカウント停止。

Marietta Baileyの場合: eBayで10,000リンデンドルを購入し、そのリンデンドルを受け取った1時間後にアカウント停止。

Toto Bonettoの場合: eBayで50,000リンデンドルを購入し、うち26,605リンデンドルを受け取った後、アカウント停止。サポートに連絡し事情を説明したところ、3日後にアカウントが復活。なお、再度eBayからリンデンドルを購入したら永久アカウント停止措置をとるとサポートから言われたため、eBayの売り手から残額を受け取ることを断念。

セカンドライフの利用規約の中に、eBayにおけるリンデンドルの売買を禁止する規定はありません。それにもかかわらず、上記の3人がアカウント停止されたのはなぜでしょうか?

あくまでも私の推測ですが、おそらく、eBayで売られていたリンデンドルは、何らかの不正手段によって入手されたものであり、リンデンラボ社は、それに関係しているアバターをマークしていたのだと思います。そして、そのリンデンドルをインワールドで受け取った一般ユーザを、その不正にかかわったものと見なしてアカウント停止措置に処したのではないでしょうか。

もしかしたら、偽造クレジットカードで購入されたリンデンドルがマネーロンダリングされようとしていたのかもしれません。

なお、eBayのサイトを見てみると、現在もリンデンドルの売り物がいくつか出ています。即決で購入できるもので、さまざまな売り手のものをいくつかを拾ってみました。

10,000リンデンドル 42.89米国ドル (1米国ドル=233.15リンデンドル)
20,000リンデンドル 95.00米国ドル (1米国ドル=210.52リンデンドル)
20,000リンデンドル 88.66米国ドル (1米国ドル=225.58リンデンドル)
20,000リンデンドル 75.00米国ドル (1米国ドル=266.66リンデンドル)
30,000リンデンドル 130.99米国ドル (1米国ドル=229.03リンデンドル)
80,000リンデンドル 340.99米国ドル (1米国ドル=234.61リンデンドル)

リンデンラボ社が経営するLindeXでリンデンドルを購入した場合、現在、1米国ドル=267リンデンドルで買えますから、買い手側からみれば、eBayで購入するよりも、LindeXで購入した方が有利です。

一方、LindeXでリンデンドルを売却した場合ですが、1米国ドル=276リンデンドルが最も良いレートです。リンデンドルの売り手側から見た場合は、eBayで売った方が有利になります。

なお、4月6日の時点では、eBayで1米国ドル=364.33リンデンドルという、買い手側に非常に有利な条件の売り物もあったのですが、現在はそのようなものは見当たりませんでした。

ところで、LindeXで購入したほうが有利であるのにもかかわらず、eBayに売り物が出ているということは、それを買う人がいるということだと思います。

LindeXは、各ユーザに対して利用限度額を設けています。そのため、インワールドで土地を購入しようというときに、その限度額のせいで、十分なリンデンドルが用意できない場合もあります。そのようなことが、eBayでのリンデンドルの需要を生み出しているのではないでしょうか。

今回、アカウント停止措置に至った背景は実のところ不明ですが、eBayでリンデンドルを購入するのは避けた方が賢明かもしれません。また、eBayで購入したこと自体が問題なのではなく、たまたま不正資金を購入したことがアカウント停止につながったのであれば、今回のようなケースは、別の売買サイトでも起こりうるかもしれません。

2007年6月1日金曜日

セカンドライフの規制強化の動き

セカンドライフの世界で明文化されたルールとしては、利用規約(TOS)、および、Big6と呼ばれる住民の行動規範を定めたCommunity Standardsとがあります。

そしてリンデンラボ社は、現在までに公式ブログ等で、上述の2つに関連した同社の方針を、何回かに渡って明らかにしてきました。

5月31日には、公式ブログにKeeping Second Life Safe, Togetherという投稿を掲載し、同社の方針をより明確にしています。

その中で同社は、次のようなコンテンツ及び行為を禁止することを明らかにしました。

1. Real-life images, avatar portrayals, and other depiction of sexual or lewd acts involving or appearing to involve children or minors
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、子ども又は未成年者を巻き込んだ、又は巻き込んでいるように見える性的行為または猥褻行為を扱っているもの)

2. real-life images, avatar portrayals, and other depictions of sexual violence including rape
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、レイプを含む性的暴力行為を扱っているもの)

3. real-life images, avatar portrayals, and other depictions of extreme or graphic violence
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、極度の暴力または生々しい描写の暴力を扱っているもの)

4. and other broadly offensive content
(その他の露骨に不快感を与えるコンテンツ)

(注:portrayalという言葉には、描写という意味のほかに、舞台で役を演じることという意味もありますので、ここではアバタにーよる行為自体をも含んでいるものと思われます。)

そして、Community Standardsに違反するコンテンツの配布や行為を行なった場合には、アカウント停止等の措置をとるとしています。

1の児童ポルノに関する規制ついては、リンデンラボ社は、すでに同社の方針を過去に明らかにしていますが、2の性的暴力行為、3の極度の暴力行為に関する規制については、今回新たに明らかにされたものです。

今回の件に対する反応ですが、セカンドライフのアダルトコンテンツについての話題を扱っているサイト、PixelPulse Magazineでは、この新たな規制によって、BDSM(隷属趣味、支配趣味、及びSM)や戦闘行為のロールプレイまでもが規制されてしまうのではないかという懸念が表明されていました。

性的行為を含むエイジプレイについては、リンデンラボ社は、3月には非公式な形で、その広告等を禁止し、5月9日には、曖昧な表現ではありましたが、性的行為を含むエイジプレイを正式に禁止しました。

そして今回の告知は、それに対する同社の方針をより明確化したものとも言えます。

これまでの流れから見て、リンデンラボ社は規制を強化する方向に進んでいるようです。しかし、同意した成人同士で行なわれているはずのSMやコンバットゲームにまでも及びかねない今回の規制には、少々驚かされました。"Your world. Your imagination."というセカンドライフの謳い文句を、損ないかねない規制だと思うからです。

また、上述の4の「その他の露骨に不快感を与えるコンテンツ」という禁止事項ですが、あまりにも定義が曖昧で、住民の創作意欲を削ぎかねないもののように思えます。

先日、ドイツのテレビ局がセカンドライフ内の児童ポルノの存在を報道しましたが、リンデンラボ社はその件に懲りて、法的に問題になりそうなものは、事前にすべて規制するという方向に進んでいるのかもしれません。



2007年4月9日月曜日

In-worldのカジノ広告規制

最近、リンデンラボ社はFBIを自ら招いて、セカンドライフの世界を視察させました。また、その数日後に同社は、公式ブログにおいて、カジノの広告等を規制することを発表しました。これらのことは、すでに、日本でも報道されています。

IT media: FBI捜査官、Second Lifeのカジノを視察

IT media: Second Lifeでの「カジノ宣伝」が禁止に


リンデンラボ社が、今回、カジノの広告等の規制に踏み切ったのは、昨年10月13日に成立した、インターネットギャンブル禁止法(Unlawful Internet Gambling Enforcement Act of 2006)を意識してのことと思います。

ただ、カジノの禁止ではなく、広告規制という措置をとったのは、法的に曖昧なものを規制することによるユーザーの反発を避けると同時に、この措置により、直接的にカジノの収入減を図り、またカジノ経営者たちに、法律違反になるかもしれませんよという暗示的なメッセージを送ることにより、カジノの数を減らそうとしているように思えます。

つまりリンデンラボ社が企業としての存続を図るため、将来の法的リスクを減らす方向に動いた結果が、今回の広告規制につながったのだと思います。

さて、今回の件を考える上で、留意すべきと思われる点を二つほど挙げたいと思います。


★ リンデンドルの位置づけ

リンデンラボ社は、
利用規約の中でリンデンドルについて次のように規定しています。

1.4 Second Life "currency" is a limited license right available for purchase or free distribution at Linden Lab's discretion, and is not redeemable for monetary value from Linden Lab.

つまり、リンデンドルはライセンスであり、リンデンラボ社はその払い戻しには応じないということです。

リンデンラボ社はユーザーがリンデンドルを売買するための場として、LindeXという市場を提供しています。しかし、リンデンラボ社自身は、この市場においてリンデンドルの買取りは行なっていません。新規発行したリンデンドルを売却しているだけです。ですから、ユーザーがリンデンドルをLindeXで売る場合、買い手となるのは他のユーザーであって、リンデンラボ社ではありません。

言うなれば、リンデンドルは日本のゲーム場で使われている、ゲーム用のコインのようなものです。客はゲーム場でコインを買い、各種のゲームを楽しみます。ゲームを終えた時点でコインがあまっていても、ゲーム場はそれを買い取ってはくれません。ただ、セカンドライフが日本のゲーム場と異なる点は、あまったコインを、他の客が買い取ってくれることです。

なお、
ロイターの記事によれば、リンデンラボ社はカジノの問題について司法当局にアドバイスを求めましたが、まだ明確な回答は得られていないそうです。


★ 米国人立ち入り禁止のカジノ

ロイターの4月5日付記事で、インターネットギャンブル禁止法の適用を免れるため、米国人の立ち入りを禁止したPalmVegas.comというカジノのことが報道されていました。

このカジノを経営しているのは、Giddyup Holdings Inc.という英領ヴァージンアイランドにある企業です。

下の画像は、そのカジノの前にあった看板です。米国人以外の人しかここでプレイできないことが明記されています。中は普通のカジノで、私が訪ねた時には、誰もいませんでした。


4月7日付でSecond Life Heraldに掲載されたインタビュー記事の中で、同カジノのマネジャーであるAzno Simonsは、カジノの経営は米国外からアクセスして行なっている、カジノの客は米国人以外に限っている、またメインランドではなく自分たちの島でカジノを行なっていると述べ、さらに、法律家の助言を受けてこのような経営形態にしていることを明らかにしてます。

しかし、リンデンラボ社のサーバは米国内にあります。ですから、米国法の適用を受けるのではないでしょうか? 

そのことについて調べてみましたところ、インターネットギャンブル禁止法を解説したサイトに次のような説明がありました。


法的には、ギャンブルはインターネットの回線の両端で同時に行なわれたものとみなされる。

オンラインギャンブルのウェッブサイトは、プレイヤーが賭けを行なった時に居た州において、ギャンブルの事業を行なっているものとみなされる。(州法による規定。州によってはこの規定がないところもある。)


これらのことから、前述のカジノが米国人を排除した理由が見えてきます。

なお、サーバの存在地が、どのように関係してくるかはわかりませんでした。


カジノ広告規制の実施を表明したブログの中で、さらにリンデンラボ社は、個々のユーザーの年齢や居住国を、他のユーザーが確認できるようなしくみを今後導入することをも明らかにしています。そのことは、インターネットギャンブル禁止法の適用を見越しての対策なのかもしれません。

2007年3月11日日曜日

リンデンラボ社のAge Playに関する方針--セカンドライフとヴァーチャル児童ポルノ

最近、リンデンラボ社が初めてAge Playに関して同社の方針を明らかにしました。Age Playというのは、子どもの姿のアバターになって、子どものように振舞うことです。その姿で性的な行為をすることも含みます。

今回の件については、いろいろなサイトで報じられてますが、SECOND LIFE HERALDが伝えた内容の概略は次のとおりです。

リンデンラボ社が、3月7日、ある特定の人々にノートカードを送るという形で、Age Playに関する同社の方針を表明しました。そのノートカードの中で、リンデンラボ社は、Age Playに関連した広告やプロモーション活動等をpublic forum(公共の場)で行うことを禁止し、これに違反した場合はアカウントに対する制裁措置を行うことを明らかにしています。

この記事に対しては、現時点で124ものコメントが投稿されており、影響の大きさが窺われます。

同社がこのような方針を決定したのは、世界各国の児童ポルノ禁止法を意識したためと思われます。オランダの性犯罪担当の検察官が、同社を訴えるつもりであることを、同社がこの決定を行う約2週間前にThe Registerが報じていたからです。

今回の件では、2つの大きな問題点が見えてきます。

1. ヴァーチャルな児童ポルノについて、米国における児童ポルノ禁止法と表現の自由の関係。

米国では、ヴァーチャルな児童ポルノをも禁止の対象とした「1996年児童ポルノ禁止法」の合憲性が最高裁で争われ、2002年に、ヴァーチャルな児童ポルノの禁止は表現の自由を保障した憲法に違反するという判決がでています。それについて詳しく書いてあるサイトはこちら

その後、2003年にPROTECT Act of 2003が成立し、ある一定の要件のもとでのヴァーチャルな児童ポルノが禁止されたようです。それについて書いてあるサイトはこちら

セカンドライフでは、13歳から17歳までの人が参加できるエリアと、18歳以上の人が参加できるエリアが分けられています。従って、大人向けのエリアで行われてる性的なAge Playは、大人が操作するアバター同士で行われているはずです。その場合のAge Playは、PROTECT Act of 2003で禁止されているヴァーチャルポルノに当たるのでしょうか? それとも、2002年の最高裁判決で認められた表現の自由に該当するのでしょうか?

ところで、SLでは年齢認証システムがありませんので、子供であっても、年齢を偽って登録すれば、大人のエリアに入ることができます。そうやって大人のエリアに入った子どもが性的なAge Playに参加する可能性はあります。

2. 国によって、ヴァーチャルな児童ポルノに対する規制が異なるという状況下で、ヴァーチャルな児童ポルノを扱うインターネットの世界がどのような規制を受けるのか?
 
2005年にカナダで、日本からアダルトマンガ雑誌を輸入した26歳の若者が児童ポルノ罪で有罪判決を受けています。(情報元:アニメ!アニメ!) カナダではヴァーチャルな児童ポルノも違法とされ、所持することさえも禁止されています。

カナダ人がセカンドライフの中で性的なAge Playをしたら、捕まるのでしょうか?

セカンドライフの中でのヴァーチャルな児童ポルノの扱いについてはどう考えたらよいのか、正直わかりません。ただ、リンデンラボ社は、ノートカードを一部の人たちだけに配布するというような方法ではなく、セカンドライフの全参加者に向けて、同社のAge Playに対する方針を表明すべきだったと思います。

ところで、リンデンラボ社が前述のノートカードを配布した後、Age Playを行っているグループは、自分たちのグループの説明文をAge PlayからRole Playに変えているそうです。