2007年6月1日金曜日

セカンドライフの規制強化の動き

セカンドライフの世界で明文化されたルールとしては、利用規約(TOS)、および、Big6と呼ばれる住民の行動規範を定めたCommunity Standardsとがあります。

そしてリンデンラボ社は、現在までに公式ブログ等で、上述の2つに関連した同社の方針を、何回かに渡って明らかにしてきました。

5月31日には、公式ブログにKeeping Second Life Safe, Togetherという投稿を掲載し、同社の方針をより明確にしています。

その中で同社は、次のようなコンテンツ及び行為を禁止することを明らかにしました。

1. Real-life images, avatar portrayals, and other depiction of sexual or lewd acts involving or appearing to involve children or minors
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、子ども又は未成年者を巻き込んだ、又は巻き込んでいるように見える性的行為または猥褻行為を扱っているもの)

2. real-life images, avatar portrayals, and other depictions of sexual violence including rape
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、レイプを含む性的暴力行為を扱っているもの)

3. real-life images, avatar portrayals, and other depictions of extreme or graphic violence
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、極度の暴力または生々しい描写の暴力を扱っているもの)

4. and other broadly offensive content
(その他の露骨に不快感を与えるコンテンツ)

(注:portrayalという言葉には、描写という意味のほかに、舞台で役を演じることという意味もありますので、ここではアバタにーよる行為自体をも含んでいるものと思われます。)

そして、Community Standardsに違反するコンテンツの配布や行為を行なった場合には、アカウント停止等の措置をとるとしています。

1の児童ポルノに関する規制ついては、リンデンラボ社は、すでに同社の方針を過去に明らかにしていますが、2の性的暴力行為、3の極度の暴力行為に関する規制については、今回新たに明らかにされたものです。

今回の件に対する反応ですが、セカンドライフのアダルトコンテンツについての話題を扱っているサイト、PixelPulse Magazineでは、この新たな規制によって、BDSM(隷属趣味、支配趣味、及びSM)や戦闘行為のロールプレイまでもが規制されてしまうのではないかという懸念が表明されていました。

性的行為を含むエイジプレイについては、リンデンラボ社は、3月には非公式な形で、その広告等を禁止し、5月9日には、曖昧な表現ではありましたが、性的行為を含むエイジプレイを正式に禁止しました。

そして今回の告知は、それに対する同社の方針をより明確化したものとも言えます。

これまでの流れから見て、リンデンラボ社は規制を強化する方向に進んでいるようです。しかし、同意した成人同士で行なわれているはずのSMやコンバットゲームにまでも及びかねない今回の規制には、少々驚かされました。"Your world. Your imagination."というセカンドライフの謳い文句を、損ないかねない規制だと思うからです。

また、上述の4の「その他の露骨に不快感を与えるコンテンツ」という禁止事項ですが、あまりにも定義が曖昧で、住民の創作意欲を削ぎかねないもののように思えます。

先日、ドイツのテレビ局がセカンドライフ内の児童ポルノの存在を報道しましたが、リンデンラボ社はその件に懲りて、法的に問題になりそうなものは、事前にすべて規制するという方向に進んでいるのかもしれません。



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