2007年6月8日金曜日

セカンドライフの株式市場・・・WSEの5月の動向

World Stock Exchange(WSE)の現在

上場企業数 61社(取引停止中の銘柄を除く)
IPO中の企業数 25社(6月8日現在)
会員数3700超 (WSEの6月8日付アナウンスメントより)

以前と比較してみますと、5月15日時点の上場企業数は60社(取引停止中の銘柄を除く)、IPO中が21社でしたので、銘柄数については、そのときからさほど規模は変わってないと言えます。


★WSEの5月の動向

5月中の取引高の推移は次のとおりです。


5月の月間総取引高は約28万9,500米国ドル、日本円で約3,511万3,000円。1日あたりの平均取引高は約9,339米国ドル、日本円で約113万3,000円でした。(1米国ドル=121.29円=268.6812リンデンドル)

1日あたりの平均取引高を以前の数字と比較してみますと、3月は1万9,265米国ドル、4月は1万7,700米国ドルでしたので、5月はかなり落ち込んでいます。

前回お伝えしましたように、4月27日にはInternational Stock Exchange(ISE)が、また5月23日には、Allenvest International Exchange(AVIX)がオープンしました。もちろん、このライバル市場の登場がWSEでの取引高に影響を与えている可能性はありますが、セカンドライフの加入者数の伸びを考慮すると、投資家離れが既に起きているのかもしれません。

次に、株価の動きです。Second Life Insiderが毎日発表しているWSE1000という指数の推移をグラフにしました。

WSE1000は、全取引高(リンデンドル)/取引された株式数*1,000で計算されています。つまり全銘柄についての1,000株当たりの平均株価ということになります。


4月末日を基準値として、どのくらい変動しているのかをみてみますと、+139.0%~-25.8%の幅で変動していました。

★最近の出来事

前回のレポート以降の主な出来ごとを拾ってみました。

5月22日にはAllenvest Investment Capital (AIC)が同社CEOの要請により取引停止。翌日、同銘柄がAllenvest International Exchange(AVIX)に移されて、AVIXがオープンしたことは、先日のエントリーでお伝えしたとおりです。

5月23日にはMontana's Poker Room (MPR)が取引停止になりました。ここは、ポーカーゲームを中心としたカジノでしたが、CEOであるMontana Ryderが、ある時期を境にセカンドライフに姿を見せなくなってしまい、それを受けてとられた措置だそうです。ここはカジノですし、同社の3月末の決算報告をみても黒字ですので、経営に行き詰ったとは考えにくく、CEOがなぜ姿を見せなくなったのか不思議です。

同じく5月23日には、Ginko Investment Fund (GIF)の全株式が、Ginko Financialによって買い戻されました。このGIFは、Ginko FinancialのCEOであるNicholas Portocarreroがファンドマネジャーとなって運営していたもので、買戻し価格は、1株1.5リンデンドル。その時点で、1株あたりのNAV(純資産価値)が0.85リンデンドルでしたので、Ginko Financialは、この買戻しによって評価損を抱えることになります。買戻しの理由は、GIFを上場して以降、Ginko Financialの戦略が変わったからとのことですが、ファンドの運営成績が悪いので撤収したというところでしょうか。

5月27日には、Karlfeldt & Delgado Mutual (KDM)のIPOがロールバックとなりました。IPOの場合、公開した株式の40%~100%が売れるのが通常だそうですが、KDMの場合は約3%しか売れなかったとのことです。

5月31日には、WSEとHope CapitalがSilicon Islandに移転しました。
下の画像が、新しい建物とその内部の様子です。



6月6日にはWSE2.0と名づけられた新システムがWSEに導入されました。主な新機能および変更点は次のとおりです。


●株価推移、ローソク足チャート、取引高推移、株主構成のグラフの表示

●各企業のCEOがWSEの事前承認無しに自社株式を売却することが不可能になった。
●成行き注文の売りが不可能になった。(成行き注文の買いは可能です。)
●上場企業が、株式を新規発行して売却することが可能になった。
●大株主上位5名の表示。

いまのところ、株主の権利が曖昧であり、株主が会社の経営に影響力を行使できるような仕組みになっていませんので、大株主を表示しても、あまり意味はないように思います。

ちなみに、WSEの関係会社であるHope Capitalの大株主は次のようになっていました。

アバター名            所有株式数   割合
Nicholas Portocarrero      6,967,766    27.87%
Lukeconnell Vandeverre     5,476,871    21.91%
Third Party             3,610,022    14.44%
Shaun Altman           2,836,323     11.35%
Alexis Enfield            1,580,333    6.32%

第1位の大株主は、Nicholas Portocarrero。この人物は、Ginko FinancialのCEOなのですが、Hope CapitalのCEOであるLukeconnell Vandeverreを抑えて、1位になっているというところがおもしろいところです。

また、第3位はThird Partyとなっていますが、これが誰を意味するのかは、どこにも説明が見当たりませんでした。

なお、WSEはそのアナウンスメントの中で、現在までに、WSEの上場銘柄のうち平均して8-13%が取引停止になっていることを明らかにしています。そして、この数字は、規制のゆるい環境の中での予想に沿ったものであるとしています。

また、将来的には、セカンドライフにログインしなくてもWSEで取引ができるようにすること、および、独自の通貨両替の仕組みを導入することも明らかにしています。

補足:今までブログの中で、「関係会社」という言葉を何回か使用してきましたが、セカンドライフには法人というシステムはなく、従って、厳密には、子会社、関連会社というものもありません。本ブログにおいて「関係会社」と記してあった場合には、同じCEOが経営を支配している会社という意味にご理解ください。

0 件のコメント: