2007年4月30日月曜日

土地を巡る問題、その1・・・Land Extortion(土地を利用した強要)

セカンドライフ内で土地を購入、またはレンタルし、そこに住居を構えようと考えている方も多いと思います。そのときに気になるのは、周りの環境です。

家を建て、庭を整備し、これから快適な時間をそこで過ごそうと思っていた矢先に、突然、景観をぶち壊すような建物を隣人に建てられてしまい、がっかりしたというような話を何回か耳にしています。
 
景観の問題は、隣人との話し合いで解決できれば良いのですが、その隣人が和を重んじない人の場合は厄介です。
 
そしてさらに厄介な場合があります。その隣人が、Land Extortion(土地を利用した強要)をビジネスにしている場合です。
 
(なお、以下の話は、メインランドの土地に関するものです。プライベートアイランドの場合は、島の所有者に強い権限がありますから、land extortionのようなことは起こらないと思います。)
 
まずは、下の画像をご覧ください。 赤およびオレンジ色のラインは土地の境界線です。

野原の真ん中に、広告のオブジェクトがたくさん浮かんでいます。あまり人が来そうにもない場所ですから、広告効果はほとんどないと思われます。
 
さらに、別の場所で撮影した画像を2枚アップします。
 




この周辺に家を構えている人にとっては、これらの広告看板は、ものすごく目障りです。これに我慢できない場合は、広告が設置されている土地を購入するか、または、あきらめてよその土地に引っ越すしかありません。
 
これこそがLand Extortionをビジネスにしている人たち(以下、land extortionistと呼びます)の意図するところです。
 
上の2番目と3番目の画像中、小さな区画にFor Saleの看板が立っているのがわかると思います。そこの広さは16平方メートルです。land extortionistたちは、ある程度の広さの土地を購入し、それを小さな区画に分割したあと、そこに目障りな広告を設置し、相場より高い価格を設定して売りに出しているのです。

隣人は、自分のところの景観を守るために、泣く泣くその高価格の土地を購入するか、または、自分の土地を処分して、よその土地に引っ越すしかありません。けれども、隣にこんな看板が立ってしまったならば、土地を処分しようにも、良い値段で売れるはずはありません。

land extortionistは、目的達成のためには、かなり卑劣な手段をも辞さないようです。彼らの仕打ちに憤慨した住民から、セカンドライフの公式フォーラムにある投稿が寄せられていました。
 
その投稿によれば、あるland extortionistが16平方メートルの土地に、LAND FOR SALEの巨大看板を設置し、周りの住人たちにその土地を買わせようとしたのだそうです。しかし、しばらく経っても誰もその土地を購入しなかったため、そのland extortionistは、今度は、LAND FOR SALEの看板の代わりに、卑猥な写真を使用した、セックスクラブの広告看板を設置したとのことです。 投稿者は、LAND FOR SALEの看板はなんとか我慢できたが、新たに設置された卑猥な看板には我慢できないと書いていました。
 
現在、land extortionistの所有する土地に関わっている人から、直接話を聞くことができました。 彼は不動産レンタル業を行なっており、メインランドの一角にオフィスを構えています。


中央の建物が、彼のオフィスです。彼は、オフィスとその周りにある土地を所有していますが、その中に、飛び地のように他人の所有する土地が存在しています。 境界線がわかりにくいので、下に少し拡大した写真をアップしました。


建物の左側に、小さな区画が3つほどあるのが確認できると思いますが、これらは彼の所有ではありません。広さは、それぞれ16平方メートルです。

3つのうち、両側の2つには、空中に大きな看板が設置されています。 (最初の画像でご確認ください。)

現在、一番右側の区画が売り出ています。価格は、9,950リンデンドル。1平方メートルあたりの単価は、約622リンデンドルになります。

メインランドでもっとも安い土地の単価は、現在、1平方メートルあたり10リンデンドル前後です。その単価で計算すると、16平方メートルの土地は約160リンデンドルということになります。それと比べると、上記の価格は、非常に高いです。

彼の話によれば、一番左側の区画の所有者から、以前、別の16平方メートルの土地を売ってもらったことがあるとのことで、そのときの価格は300リンデンドルだったそうです。
 
それと比べても、やはり9,950リンデンドルというのはかなり高く、ぼったくりといえます。
 
さて、land extortionistの行為は、言わば、人の弱みに付け込んだ商売ですが、それを規制するルールは今のところありません。

しかし、その被害を少しでも防ぐため、Clocktower Blacklist Projectというプロジェクトが住民たちにより実施されています。

その仕組みは次のようになっています。
 
土地を16平方メートルの区画にして切り売りしている人たちの情報が、プロジェクトの参加者たちによって集められ、それがブラックリストとしてまとめられています。 (このような人々は、ad firm、ad parcel splitter、land cutterなどと呼ばれています。)
 
プロジェクトの参加者は、特別なオブジェクトを自分の土地に設置します。すると、そのオブジェクトを通じて、ブラックリスト情報がその土地の立ち入り禁止者リストに供給されます。
 
もし、参加者が自分の土地を売りに出すときに、そのオブジェクトを土地に設置していたならば、ブラックリストに載っている人々はその土地に立ち入ることができません。その土地に立ち入らない限り、そこを購入することはできませんので、土地が彼らの手に渡ることを防げるわけです。
 
現在、オブジェクトは全部で1,483個設置されており、ブラックリストに載せられている人は32名です。

クロックタワー・ブラックリスト・プロジェクトのキット一式が、ここで入手できます。



プロジェクトの参加者が無料で使用できる看板です。自分の土地が、ad parcel splitterへの対抗手段をとっていることを明示するためのものです。
 
広告看板が林立した画像を見ていると、怒りを通り越して、悲しい気分にさえなってきます。リンデンラボ社は、住民間の争いごとには不介入の姿勢をとっていますが、やはり、このようなland extortionistに対処するためには、ゾーニング規制の導入などの全面的な介入が必要ではないかと思います。

2007年4月27日金曜日

続・続・同じドレスがあっちにもこっちにも!?

4月1日のエントリーで、同一のドレスが複数の場所で、さまざまな価格で売られていたことから、それらを卸売りしていると思われる業者を見つけたことを書きました。しかし、事情はもっと複雑なようです。

先日、フリーアイテムのおいてある場所を訪ねたときことです。フリーの乗り物をいろいろと探し回っている途中で、ふと、壁に掲げられた赤いドレスの画像に目が留まりました。
それは、私が先日買ったものと、まったく同じものです。早速、Free Prim Gownsと名づけられたそのフリーアイテムを入手してみました。


Free Prim Gownsの中身を開いたときの画像です。ドレスが多数入っています。付属のノートカードには、次のようなことが書かれていました。

There are a collection of apparel items like gowns and dresses made by Agent Case and Bianca Barbee who are no longer in world. They have been generously made full perm.

It has come to my attention that there are some shady people out there who are using their generousity for their own gain. They are selling these gowns and using them as luchy chair prizes. Please feel free to tell your friends that these gowns are free and not for sale.

つまり、これらのドレスは、クリエイターの好意により、フリーのフルパーミッション・アイテムとされたものなのですが、それにもかかわらず、一部のいかがわしい人々がこれを売り物にしたり、ラッキチェアーの景品にしたりしているというのです。

私は、4月1日にエントリーで言及した卸売業のお店で、上の赤いドレスが売られているかどうかを確認するため、再度そのお店を訪ねてみました。しかし、そこはもう存在していませんでした。

それならば、よその卸売業を見てみようと思い、サーチパネルで見つけたところを何ヶ所か回った結果、3軒で同じドレスをみつけました。


1軒目のお店です。真ん中の赤いドレスが
同じものです。


2軒目のお店です。同じ赤いドレスが中央右あたりに確認できます。150着を超えるドレスを、まとめて100リンデンドルで売っています。


3軒目のお店です。ここでは、150着を超えるドレスを999リンデンドルで売っています。おまけに、「これを買って、短期間で成功への道を歩もう」というようなことが書いてあります。

これらの卸売業者たちのやり方は、なかなか巧妙だと思います。

自分で小売業をやりたいと思っている人が、何も知らずに上記のドレスのセットを卸売業者から仕入れ、商売を始めたとします。そしてしばらくして、それらがフリーアイテムだったことに気づきます。けれどその頃には、すでに自分の店でそのドレスが何着か売れており、いくらかのお金を手にしているかもしれません。

卸売業者に文句を言うためには、自分のお店でドレスを買ったお客さんたちに事情を話して返金をするのが筋です。正義感の強い人なら、そこまで筋を通すかもしれません。が、たいていの人は、自分のお店をたたむだけで終わってしまうでしょう。  
 
それに、セカンドライフの世界では、まだまだお金を儲ける方法が限られていまから、手っ取り早く商売をしたいと思っている人はたくさんいるでしょう。そういう人の欲につけこんで、ドレスを卸売りした方が、一着ずつ小売するよりは、より多量に売れたのではないかと思います。

無料でもらってきたものを販売して利益を得てはいけないとうルールはありません。しかし、他人の好意を利用して自分の利益を図ることは、モラルに反することです。

そのようなことをする人たちが存在することを、非常に残念に思います。

2007年4月26日木曜日

日本人向けの過激なアダルト施設が登場

知人からおもしろい場所があるとの情報を得て、早速現地に飛んでみました。


サーチパネルの表示から、何の施設かお分かりだと思います。


エリアは3つに分かれています。



sexエリアの外観です。


内部の様子です。ポーズボールつきの設備がいろいろと置いてあり、訪れた人が自由にプレイを楽しめるようになっています。私が訪れたとき、そこでプレイを楽しんでいる人は、一人も見当たりませんでした。

SLの世界で、セックスのアニメーションは比較的高いといわれていますので、これだけの設備を揃えるのには、結構費用がかかっただろうと思います。

しかし、ここに来てそれらを実際に楽しむ人はでてくるのでしょうか?

セカンドライフの世界に入りたての頃は、アバターは自分を表す単なるシンボルにすぎません。ただの着せ替え人形のようなものです。

けれど、SL内で他人とのコミュニケーションを重ね、外観をいろいろといじっているうちに、大多数の人は、アバターをまるで自分の分身のように感じるようになってくるのではないでしょうか。

その段階までくると、自分のアバターが他のアバターの目の前で、操作ミスによりズボンが脱げてしまったりすると、きっと「恥ずかしい」と感じてしまうに違いありません。

現実世界で恥ずかしいことは、SLの世界でも恥ずかしく感じるようになってしまうのです。

さて、SLの世界では、かなりセクシーなお洋服を着ている女性がたくさんいます。アバターという要素が、「恥ずかしさ」を弱める方向に働いているようです。

しかし、セクシーな洋服を着ることの「恥ずかしさ」と、人前で性的プレイをするということの「恥ずかしさ」とでは、その度合いに、ものすごく大きな差があると思います。

ですから、アバターという要素があったとしても、人前で性的プレイをするというのは、まだなかなかできないのではないでしょうか。

海外のシムにあるそういう場所でしたら、日本人に会うチャンスはぐっと少なくなりますから、恥ずかしい思いをすることは避けられるかもしれません。

しかし、ここは日本人向けの施設であり、ここでセックスプレイをしたならば、まだまだ狭い日本人コミュニティの中で、あっという間にその事実は広まってしまうでしょう。

そのように考えると、普通の日本人が上述の場所を利用することはあまりないように思えるのですが・・・。

2007年4月25日水曜日

International Technology Expoを見学

4月20日~22日にSilicon Islandで開催された、International Technology Expo(ITE)に行ってみました。

公式サイトによると、64の企業が出展したとのことで、その内容は、テレコミュニケーション、建築ツール、Webベースのインタラクティブ・リンキングシステム、コンテント・マネージメントツール、マーケティング・広告システムなどです。

個人的には、Grid Reviewというマシニマによる番組の中でも使用されている、リップシンク(アバターが口を動かして、しゃべっているように見える)を可能にするソフトがおもしろいと思いました。(関連サイトはここ

あのような大規模な展示会に行ったのは初めてだったのですが、私はSL特有の問題・・・ラグによる制約を非常に感じました。

会場は3階建てで、各階への移動にはテレポーターが用意されていたのですが、それがうまく働いてくれません。数回トライしてみましたが、テレポーターに座るばかりで、移動できません。

ならば、自力飛行でと思い、飛び上がってはみたものの、スムーズに移動できるだけのスペースが確保されておらず、何回も天井に頭をぶつけてしまいました。

ブースでは、展示物がよく理解できなかったので、ノートカードをもらおうと配布オブジェクトにタッチしたのですが、ノートカードが配布されないといったこともありました。

セミナーでは、講演者の音声がおかしくなったなと思った瞬間に、ビューアーがクラッシュしてしまいました。私の方で、何の動作もしていなかったにもかかわらずです。

SLでのイベントでは、ラグ対策が重要だと思いました。

ところで、名前からもわかるとおり、ITEは技術的な製品を発表する場のはずですが、なぜか金融関係企業のブースもありました。World Stock ExchangeとSecond Life Investors' Bank が出展していました。特に新サービスといったものは見あたらず、ただ知名度を上げるためにブースを出したようです。

なお、公式サイトで出展企業の一覧を見ていたときに、意外な人物の名前に気がつきました。

企業名 BW Williams
出展内容 Second Lifestyles Publication
アバター Sal Ackland

このSal Acklandという人物は、TSFという投資ファンドのファンドのマネジャーを務めていますが、そのTSFファンドは、不正の疑いで調査中のため、現在、World Stock Exchangeで取引停止になっているのです。(詳しくは4月7日のエントリーをご覧ください。)

Virutual Commerce Exchangeのサイトに掲載されていたニュースによれば、Sal Acklandは、Second Lifestyle Magazineという雑誌を、リアルワールドで発行する予定とのことです。

投資ファンドを運営する一方で、雑誌の出版にも手を伸ばすなんて、なかなかの企業家のようですが、果たして実像はどうなのでしょうか・・・?

2007年4月22日日曜日

リンデンラボ社発表の3月の統計より

セカンドライフの公式ブログで、3月のKey Metricsが4月19日に発表されましたので、その中からいくつかの項目をグラフにしてみました。

まずは、住民数、ユーザー数(unique residents)、プレミアム会員数の推移から。


3月末の住民数は514万4,889人でした。 (住民数というのは個々のアバターの数です。)


3月末のユーザー数(unique residents)、は317万7,434人でした。 (unique residentsとは、支払い情報、emailアドレスから、一人の人が複数のアバターを持っている場合を特定し、その重複するアバターの数を住民数から控除したものです。)

プレミアム会員数は7万5,714 人でした。


対前月比の増加率は、住民数が24.1%、ユーザー数が21.0%、プレミアム会員数が13.3%でした。

なお、Key metricsの中には、アクティブ・レジデントの国別の割合(トップ100か国の合計を100%とする)のデータもあります。今回は、そこにおける日本人の増加が目に付きました。日本人の占める割合は、1月が1.29%、2月も1.29%だったのですが、3月は2.43%と急激に増加しています。 

(アクティブ・レジデントとは、月間のログイン時間が1時間を超える住民のことです。)


次にマネーサプライです。


3月末のマネーサプライは、22億6,849万4,603 リンデンドル、日本円に換算して 約 10億460万円でした。(1ドル=118.69円=268.0137リンデンドル)

対前月比の伸び率は15.5%でした。

リンデンドルの為替市場の大きさの推移は次のとおりです。
3月のリンデンドルの為替取引高は19億4,881万3,701リンデンドル、日本円にして約8億6,073万円。対前月比の伸びは29.0%でした。


最後に土地です。
3月末の土地の合計面積は、504.28平方キロメートル。うち、メインランドが132.04平方キロメートル、プライベートアイランドは372.24平方キロメートルでした。

対前月比の増加率で見ると、全体では22.4%の伸び。メインランドの増加率が13.7%、プライベートアイランドの増加率が25.8%でした。

グラフからわかるように、プライベートアイランドの増加が全体の増加に大きく寄与していることががわかります。

4月22日17:50追記: 最初にアップした土地のグラフの凡例が間違っていましたので、正しいものに差し替えました。Second Life Watch!様、ご指摘ありがとうございました。

2007年4月21日土曜日

Second Lifeの最高級車

先日、私は、BusinessWeek onlineの記事をたよりに、Dominus Shadowという、セカンドライフで最高価格の車を見に行きましたが、結局見つけることはできませんでした。(詳しくは、前回のエントリーをご参照ください。)

そこで、どうしても最高価格の車を見てみたい!・・・と思った私は、どこで見られるのかを、クリエイターに直接、IMで質問してみました。

クリエイターから戻ってきた回答は、少し私の予想とは異なるものものでした。

BusinessWeek onlineの記事には、価格が約40米国ドル相当と書いてありましたが、彼の話によれば、その記事は間違っており、今までに40米国ドル相当の車を販売したことはないとのこと。しかし、過去には約2,000米国ドル相当の価格で売れた車があるとのことでした。

さらに、彼は、それに関する記事が、いくつかネット上にあることも教えてくれました。

約2,000米国ドルといえば、日本円にして約23万7,000円です。いったいどのような車なのか、ますます興味が湧いてきます。(1米国ドル=118.72円で換算)

早速探してみたところ、Virtual ride sold for $2k USDと題する、昨年7月16日付の記事をSecond Life Insiderで見つけました。(車の画像はその記事でご覧ください。)

それによれば、Relay for Lifeというイベントのチャリティーオークションで、Dominus Shadow version 2のスペシャルエディションが、60万リンデンドルで落札されたとのことです。

チャリティーオークションという性格上、通常の価格よりも高く落札されることは十分ありえることです。しかし、それにしても、60万リンデンドルは破格の価格だと思います。

普通に販売した場合の価格は見当もつきませんが、SLの最高級車であるのは、まず間違いないでしょう。このピンク色の車でセカンドライフ内を走ったら、絶対目立ちますよね。

2007年4月19日木曜日

Second Lifeの高額支出者たちのお買い物

セカンドライフの世界では、食べなくても、住むところがなくても、それなりに楽しく生きていくことができます。私などはその典型で、毎日のようにダンスパッドで踊って稼いではいますが、今まで、あまりお金を使っていません。

一方、SLでは、お金をかなりたくさん使っている人もいるようです。リンデンラボ社のMonthly Spending by Amountという統計から、高額支出者の人数を拾ってみたところ、次のようになりました。
 
(上記の統計は、各ユーザーをその支出額に応じて、9つの層に分類したものです。本稿では便宜上、上から2番目までの層、すなわち月間支出額50万リンデンドル(約22万円)超の人々を高額支出者とみなしました。)

(換算レート 1米国ドル=269.20リンデンドル=118.67円)

インワールドで月間50万リンデンドル(約22万円)を超える金額を使った人の数 
  
2007年1月 1,074
2007年2月 1,220
2007年3月 1,745

2007年3月の場合、インワールドでお金を使った人の合計人数は264,346人でしたので、高額支出者を人数の割合で見ると、全体の0.66%を占めるに過ぎず、非常に少ないです。しかし、金額でみると、私の推計ではインワールドでの支出額全体の28.8%を占めています。  

 
(推計方法は、セカンドライフ内でビジネスを行っている人々が儲けた金額の月間推定額の算出方法と同一です。詳しくは、 3月13日のエントリーをご参照ください。)

1ヶ月に約22万円以上の支出というのは、かなり大きな金額だと思います。SLの物価水準を考えると、この金額のかなりの部分を、土地、事業用備品、株式の購入およびギャンブルの支出がを占めているのは間違いない思います。ですが、もちろん、物品やサービス購入の支出もあると思います。
 
では、高額支出者たちは、どのような物品やサービスにお金を使ったのでしょうか?

その答えの手がかりとなるものを、BusinessWeek onlineのBig Spenders of Second Lifeと題する記事の中で見つけました。
この記事の中で、土地富豪として有名なAnshe Chungは次のように述べています。

...says there is a market for high-priced, high-quality design in homes and other virtual commodities."There is no real upper limit when it comes to people spending money on art, self-expression, and uniqueness,"...

つまり、高品質のデザインで高価格の商品に対するマーケットが存在しており、また、芸術、自己表現、ユニークさに関する物に対しては、人々は惜しみなくお金を使うということだそうです。
 
ちなみに、SL Exchangeで見てみると、単体のスキンでもっともな高額なものは5,000リンデンドルでした。スキンの平均的な価格は1,000リンデンドル前後と思われますので、それと比べるとかなりの高額です。前述のAnshe Chungの言葉が真実だとすれば、このように高額な商品でも、需要はあるのかもしれません。もっとも、上記の統計に表れるような高額支出者は、カスタムオーダーのものを購入しているのかもしれませんが・・・。

ところで、上記の記事では、高価格マーケットを狙った商品の一例として、Francis Chungという人が製作したDominus Shadowという車を挙げていました。ツーシーターのレトロカーで、価格は約40米国ドル(約4,800円)だそうです。SLの車の中では最高価格とのこと。早速現物を確認しに、お店に行ってみました。

ところが残念なことに、該当する車は見当たりませんでした。お店には、車が2台展示されていましたが、価格は両方とも、2,368リンデンドル(約1,040円)でした。普通の車に比べれば、高い方だと思います。

私は車に詳しくないので、どのへんが良いのかさっぱりわからなかったのですが、通の人が見れば、とてもすばらしいものなのかもしれません。もし、わかる人がいらっしゃいましたら、是非教えていただきたく思います。

(車の画像がなぜかアップロードできませでしたので、後ほど可能になったとき、アップします。)
 
2007年4月19日18:04 追記
 
上述の2,368リンデンドルの車の画像をアップします。

2007年4月17日火曜日

セカンドライフのお金持ちたちは、何で儲けたのか?

前回のブログで書きましたように、Second Lifeは物価が安いです。ですから、セカンドライフ内の物販またはサービスの販売で多額の儲けを得るのは、容易ではないと思われます。

セカンドライフで儲けている人は、何をやって、具体的にどのくらい儲けているのでしょうか?

BusinessWeek onlineのVirtual World Rich Listという記事に、セカンドライフでお金持ちになったの人の例が10人ほど紹介されています。その記事から、何をやって、どのくらいの売上げ、または利益があったのかを拾ってみると次のようになりました。(1米国ドル=119.3円で換算)

1 Ailin Graef (Anshe Chung)   不動産業 
約400個のシムに投資し、約2年半で、利益が100万米国ドル(約1億1,900万円)を超えた。

2 Philip Rosedale  リンデンラボ社CEO

3 Reuben Steiger   大手企業向けにプロモーション活動のコンサルティングを行なう
彼が経営するMillionsOfUsの2007年の予想売上高は600万米国ドル(約7億1,600万円)

4 Sibley Verbeck   Electric Sheep Co.創業者  大手企業のSL進出をサポート
サポート料は、企業の建物の建設やプロモーション活動の案件一件につき、約1万5,000米国ドル(約179万円)

5 Alyssa LaRoche  服飾デザイナー、芸術家、パーティープランナー、マーケティングコンサルタント
現実社会の企業から、建造物建築・スクリプト作成・イベントの運営を請け負う。費用は一案件につき3万-10万米国ドル(約358万円-1,190万円)。月に2-3件の新規顧客を獲得。

6 Adam Frisby 不動産業
エキゾチックな環境の土地を販売。一区画132-330米国ドル(1万6,000円-3万9,000円)

7 Kevin Alderman  アムステルダム・シムの元オーナー、アダルトグッズ・アニメーション等を製造・販売
単価20-40米国ドル(2,400円-4,800円)のアダルト関係商品を、1日に40-50個販売。(筆者注:計算すると、1日の売上高は9万5,000円-23万9,000円)

8 Peter Lokke  服飾デザイナー
彼女が経営するCrucial Creationsは、約70店舗を構え、年間売上高は、約10万米国ドル(約1,190万円)

9 Cristiano Diaz  写真共有サイトであるSnapzillaの開発者、アニメーション作成
年間売上高約3万3,000米国ドル(約394万円)

10 Adam Anders  不動産経営、建造物・家具・服飾デザイナー
年間売上回数、約11万回。商品単価1-9米国ドル(筆者注:計算すると、年間売上高は1,310万円-1億1,900万円)

ざっと眺めてみての感想ですが、SLの世界では、物価が安くても、成功すれば、かなりの売上を達成することができるようです。

しかし、8番目の例では70店舗も構えていますので、その土地代および管理の手間を考えると、実際の利益はそこそこになってしまうのかもしれません。

企業としてセカンドライフで収益を上げるためには、やはり現実社会の企業を顧客にして、そこから売上を得るのが確実なようです。

なお、上記の記事には取り上げられていませんが、セカンドライフの世界では、カジノ経営で儲けている人もおそらくいるはずです。ですが、最近の流れを見ると、取り上げられなかったのも当然という気がします。

2007年4月16日月曜日

リンデンドルの為替市場、その2・・・為替ビジネスの可能性は?

セカンドライフウォッチさんの「RMT換金系も増加?」という4月14日のエントリーで、日本のネット銀行が為替ビジネスに参入するらしいことを知りました。

そこで、リンデンドルを円建てで売却するという、両替サービスの需要はどのくらいあるのかを考えてみました。

日本円でリンデンドルが買えるようになることは、ユーザーにとっては、とても便利です。しかし、私は、次の理由から、需要はそれほど伸びないのではないかと思います。(以下の推測は、あくまでもLindeXで直接購入するよりも、日本の業者から円で購入する方が、手数料が高くなることを前提としています。)

(なお、私は、SLの世界にいる男性がどのように過ごしているのかは、あまりはっきりとはわかっておりません。ですから、この考察は女性を中心に考えたものということをご了解ください。)


1 セカンドライフの本質は、物づくりとコミュニケーションにある。

SLの本質は、物づくりとコミュニケーションにあると思います。ですから、物見遊山的なユーザーの場合、やがて観光に飽きて、セカンドライフの世界から去っていってしまうと思います。
物づくりの場合は、確かにテクスチャなどの素材のアップロード代はかかりますが、それ以外は、基本的にはお金がかかりません。
人とのコミュニケーションの場合、SLの世界では飲食代がかからないので、コミュニケーションのためのお金というものは、あまり必要ないと思います。


2 SL内で物の購入に使う金額の絶対量が少ない。

SLは物価が安いですから、物にあまりこだわらない人の場合は、キャンピングで稼いだお金で、または、プレミアム会員であれば、毎週支給されるstipendで十分にまかなえてしまうのではないかと思います。

次に、物にこだわる人の場合ですが、いくつかの品目については、消費行動を抑制するような要因が存在します。
まず、洋服は、商品の質に当たりはずれが多いこと、プリム系の洋服の場合は自分の体型にぴったりフィットさせるには手間がかかることなどから、ものすごくこだわる人の場合は、自分の好みに合うものを自作する方向に行ってしまうのではないかと思います。
ヘアーは、個々のアバターの頭のサイズ、形がさまざまなことから、自分に本当に合うものを見つけるのがかなり難しく、数多くのデモを試した挙句に、購入に至らないケースがかなりあると思います。
スキンは比較的高価ですが、スキンを変えると顔の印象がかなり変わってしまいますから、スキンを頻繁に買うケースは少ないのではないでしょうか。
家はプリム数の問題から選択肢が限られてきますので、何回も買い替えるケースは少ないと思います。


3 日本人居住区の場合、土地のレンタル料は円で支払うところがほとんどである。

日本語版がリリースされてからSLの世界に入ってくるユーザーは、やはり英語が苦手という人が多いと思われますので、土地を借りる場合は、日本人居住区でということが多いと思います。その場合レンタル料は円で支払いますので、リンデンドルは必要ありません。
メインランドで土地を購入したり、他の島で土地を借りたりするユーザーならば、直接LindeXでリンデンドルを購入するのではないでしょうか?


4 SLの世界で目立つサービス産業はアダルトとカジノであるが、日本人がそこで使うお金は少ない。

SLのアダルト産業は、アバター及びチャットという、かなり特殊な形態なので、普通の日本人男性にとってはあまり魅力的ではないもののように思います。それに、そこでサービスを提供する人は、ほとんどが外国人なので言葉の壁があります。
カジノについては、日本からですと他の選択肢がいろいろあるようなので、カジノ目当てにSLに来る人は少ないのではないかと思います。


以上が、私のSLから今までに受けた印象に基づく推測です。2と4に関しては、異論も多々あるかと思います。

特に2に関しては、物価の安さに引きずられて、女性がバイイングパワーを発揮する方向に行くのか、それとも上述の抑制的な要因により、それが抑えられてしまうのか、見方が分かれると思います。

女性はセカンドワールドの世界に入った途端、現実世界では決して着ることのできないような洋服をたくさん買い込むかもしれません。けれど、それは「自分を表現したい」という欲望の表れであり、人間にとっては根源的なものですから、長期的にはそれが物づくりの方向に向かっていくのではないかと私は思います。

2007年4月15日日曜日

リンデンドルの為替市場、その1

リンデンラボ社が3月27日に発表した、2月のキーメトリックスのデータを元に、リンデンドルの為替市場の大きさを円換算したものをグラフにしてみました。(1米国ドル=119.18円)

為替取引高合計には、リンデンラボ社が経営するLindeXのほかに、インワールド経由で行なわれる為替取引(SL Exchange等)も含まれています。

リンデンラボ社新規発行売却高とは、リンデンラボ社がリンデンドルを新規に発行して、LindeXで売却した額です。

2007年2月の総取引高は約562万米国ドル、日本円で約6億7,000万円相当でした。そのうち、リンデンラボ社が新規発行売却した分は約80万ドル、日本円に換算して約9,500万円でした。


なお、2007年1月の新規発行売却高がその前の月よりも少なくなっていますが、以前述べましたように、リンデンラボ社はリンデンドルの新規発行高を調節することで為替の安定を図っていますので、これはその需給調整の現れだと思います。

ところで、リンデンドルを、購入または売却するときの為替手数料は現在次のようになっています。

まずLindeXの場合、リンデンドルの購入には一取引につき、0.3米国ドルがかかります。売却の場合は、取引高の3.5%が手数料として徴収されます。

SL Exchangeの場合は、手数料という形ではなく、spread pricingと言う方法を用いることにより、手数料相当分を徴収しています。

普通の市場では、買い手と売り手の希望額が一致したときにそこで取引が成立しまが、このspread pricingの場合は、例えば、250リンデンドルを1米国ドルで買いたがっている人と、255リンデンドルを1米国ドルで売りたがっている人との間で取引を成立させ、差額の5リンデンドルを手数料相当分として徴収します。
SL Exchangeのspread pricing1による手数料相当分は、1米国ドルにつき4.5リンデンドルですので、現在の為替レートで計算すると、約1.5%となります。

Dutch Exchangeでもリンデンドルが購入できます。サイトの説明によれば、購入レートは、ユーロの対ドル相場、LindeXの相場、リンデンドルの需給状況をを加味し、1週間ごとに見直される変動レートになっているとのことでした。


上の画像は、Dutch Exchange本社のATMです。



Dutch Exchangeでは、少額のリンデンドルを電話で買うこともできます。有料ダイヤルを利用したシステムのようです。

2007年4月14日土曜日

セカンドライフのカジノはどのくらい儲けているか?・・・ポーカーゲーム

先日、セカンドライフ内でのカジノ広告規制について書きましたが、それではカジノはいったいどのくらい儲けているのでしょうか?

最近、ロイターにその一端を窺わせる記事が掲載されていました。

それによれば、セカンドライフのカジノでは、 Texas Hold’emというポーカーの一種がはやっており、これから得られるrake(場所代のようなもの、いわゆる寺銭)のSL全体の合計額は、月に300万リンデンドル(約130万円)を超えると言われているのだそうです。そしてその伸びは、セカンドライフ自体の伸びを上回るものだそうです。(以下、1米国ドル=269.8548リンデンドル=118.54円で換算)

また、SL全体のポーカービジネスのうち、大手3社がその約75%を占めており、その3社の一つであるFour Deuces Casinoの月間利益は40万リンデンドル(約17万円)。毎月30%の割合で売上げが増加しているそうです。

一方、このゲームに広く使用されているVGAポーカーテーブルを開発したVirtual Gaming Accessories社は、昨年11月の発売開始以来、4万4,000米国ドル(約520万円)の売上げがあったそうです。そのうちの2万米国ドルは過去30日間に売れたものからとのことでした。

このロイターの記事を読んだ、カジノに詳しい人物によれば、上述の月間利益約17万円という金額は、本当の数字よりも0がいくつか足りないのではないかとのことでした。かなり高額の賭け金のゲームを実際に目にしていることからの推測だそうです。

客観的なデータが入手できませんので、正確なところはわかりませんが、司法当局と税務署から目をつけられることを避けるため、カジノ経営者たちが、利益を少なめに述べたかもしれないことは十分推測できます。

ところで、CNET Japanの「米ネットギャンブル規制で波紋 英…売り上げ半減、株暴落」と題する記事によれば、2005年のオンラインギャンブル業界の売上高のうち、60億米国ドル(約7,080億円)が米国人の客からのものだったと言われているそうです。

リンデンラボ社は、もちろん各アカウントのリンデンドルの動きを把握してますから、ポーカーテーブルの開発・販売元であるVirtual Gaming Accessories社が最近急激に売上げを伸ばしていることも、そしてカジノ業者たちがどのくらいの売上げを得ているのかをも把握していると思います。そのデータと、上述の、インターネットギャンブル禁止法によって一気に消滅した米国人マーケットの大きさを考え併せたとき、リンデンラボ社は急に危機感を抱いたのかもしれません。

2007年4月12日木曜日

セカンドライフの住人はどのくらい儲けたか?・・・3月の統計から

少し前に、リンデンラボ社の3月の統計がでましたので、セカンドライフの住人たちがどのくらい儲けたのかを推計してみました。

推計には、リンデンラボ社が発表したEstimated In World Business Owners というデータを使用しました。推計方法の詳細は、私のブログのの3月13日のエントリーをご参照ください。

下のグラフは、セカンドライフ内で住人が得た利益の推定合計額および登録者数の推移を表したものです。この利益には、土地売買に関する利益と為替ビジネスの利益は含まれていません。


3月中に住民が得た利益の推定合計額は、約404万米国ドル、日本円にして約4億8,000万円でした。(以下、1米国ドル=119.43円=268.75リンデンドルで換算)

利益の対前月比の増加率は30.0%、登録者数の対前月比増加率は23.8%でした。


(4月21日補足:上述の登録者数は、正確にはアバター数のことです。)

次に、Monthly Spending by Amount というデータを元にして、上記の推計と同様の方法で、セカンドライフの住人たちが、インワールドで支出した金額の月間合計額を推定してみました。下がその推移を表したグラフです。
なお、古い時期のデータが入手できませんでしたので、今年の1月以降の分のみの推計となっています。


3月における、住人たちの支出の推定合計額は、約52億6,200万リンデンドル、日本円にして約23億3,800万円になりました。結構大きな金額ですね。3月の対前月比の増加率は38.1%でした。

元データであるMonthly Spending by Amountは、各住民を月間支出額に基づいていくつかの層に分け、その層毎の該当人数を示したものです。最上位の層は、月間支出額が100万リンデンドル(約44万円)以上。この層に属する住民は、3月は835人でした。

(4月21日補足: 上のパラグラフの”住民”は曖昧な表現でした。ユーザーと読み替えてください。)


ところで、上の登録者数の推移のグラフを見ると、登録者数が増加し始めた時期と、米国でインターネットギャンブル禁止法が成立した時期(2006年10月)が、だいたい重なっているように思います。

つまり、禁止法により行き場を失ったオンライン・ギャンブラーたちが、カジノを目的にセカンドライフの世界に流れ込んできているということが、十分に考えられます。そして、そういった人たちの一部が、高額支出層に含まれているのかもしれません。

World Stock Exchangeの顧客サービス

World Stock Exchange(WSE)の市場で株式取引をする場合は、まず初めにインワールドで、WSEのATMにお金を預けます。しかし、その後の実際の取引は、すべてweb上で行なわれます。

そのような事情からか、WSEは次のようなweb上のサービスも行なっています。


★ 独自のツールバーの配布


このツールバーには、検索機能、WSEのポータルサイトへのリンク、メッセージを受け取る機能、リアルワールドの各株式市場へのリンク、ラジオ、天気と気温の表示などがついています。

★ ライブヘルプ



担当者が在席していれば、その場でチャットしながらヘルプが受けられます。ログインしなくても済むので便利です。問題は、担当者の在席の頻度ですが・・・。


★ スカイプキャスト

WSEはスカイプキャストも行なっています。しかし、セカンドライフにボイスが本格導入されれば、おそらくグループでのボイス機能も用意されるでしょうから、これは必要とされなくなるでしょうね。

WSEは、セカンドライフの世界では今のところ最大規模の株式市場です。しかし、Virtual ComEx(現在、一時休止中)とか、近い将来オープンする予定のVirtual Stock Exchangeといったライバルも存在しています。

そのため、あれやこれやと付加サービスを提供して、投資家たちの囲い込みを図っているようです。

2007年4月11日水曜日

SL Trader Magazine・・・株式情報雑誌

セカンドライフ内の株式投資家向けに情報雑誌が発行されていますので、ご紹介します。

SL Trader Magazineという雑誌で、すでに3号まで発行されています。総ページ数54ページ、価格は25リンデンドルです。

株式に関する記事のほかに、各銘柄別の株価の推移を表わしたグラフが掲載されています。WSEに上場されている株式だけではなく、Virtual ComExに上場されている銘柄もカバーしています。
(Virtual ComExの市場は、現在、休止中です。)
雑誌の発行は月1回ですが、データは2週間ごとに更新されます。


読むときには、HUD attachmentとして画面上に装着して読むこともできますし、地面に置いて読むことも可能です。上の画像はHUD に装着した場合です。


目次のページを開いたところです。



World Stock Exchange(WSE)のフロアで購入することができます。

In-worldで読む場合、やはりページをめくるのに時間がかかったりして、何かと不便です。Web版など、他の形式のものがないかどうか発行者に問い合わせてみましたが、いまのところないとのことでした。

2007年4月10日火曜日

In-worldのカジノの広告規制・・・その2

現在のセカンドライフのカジノに直接は関係ありませんが、その将来に影響を及ぼすかもしれないことを2つほど紹介します。


★ インターネットギャンブル禁止法を見直す動き

米国議会金融サービス委員会議長である、下院議員のBarney Frankがインターネットギャンブル禁止法を廃止する法案の提出を考慮中であることが、Associated Pressによって、3月14日に報じられました。

これは、Barney FrankがFinancial Timesとのインタビュー中に明らかにしたもので、これを受けて、ロンドン株式市場でギャンブル業の企業の株価が上昇するといったこともありました。

Barney Frankのこの動きは、インターネットギャンブルを合法化した上で規制することが、国の利益になるとの考えに基づくもののようです。

なお、上記の記事では、ギャンブル擁護とみなされるものの立法化は非常に難しいという、ギャンブル問題に詳しい弁護士のコメントも紹介されています。


★ WTO裁定・・・米国のオンラインギャンブル規制は不当

米国のオンラインギャンブル規制に関して、WTOが不当だと裁定したことが最近報じられました。

NIKKEI NET IT PLUS: 米のネットカジノ規制、再び是正勧告・WTO

これは、カリブ海にある小国アンティグア・バーブーダが、米国が国外のオンラインギャンブル業者を不当に市場から締め出しているとしてWTOに訴えていたものです。

米国はインターネットギャンブル禁止法によってオンラインギャンブルを規制していますが、別の法律により競馬のインターネットギャンブルを扱う国内業者は例外扱いにしています。

このことからアンティグア・バーブーダは、米国は国外の業者に対して不公平な扱いをしていると主張しました。

もしも、米国がWTOの裁定に従わず、不公正な取り扱いを是正しない場合は、アンティグア・バーブーダは関税引き上げ等の貿易制裁を行なうことができます。

人口約80,000人という小国アンティグア・バーブーダが貿易制裁を行なったところで、米国にとっては痛くも痒くもないでしょう。しかし、今回の件で、オンラインギャンブルを認めているより大きな国が、米国の市場開放を求めて、アンティグア・バーブーダの後に続く可能性もでてきたのです。

2007年4月9日月曜日

In-worldのカジノ広告規制

最近、リンデンラボ社はFBIを自ら招いて、セカンドライフの世界を視察させました。また、その数日後に同社は、公式ブログにおいて、カジノの広告等を規制することを発表しました。これらのことは、すでに、日本でも報道されています。

IT media: FBI捜査官、Second Lifeのカジノを視察

IT media: Second Lifeでの「カジノ宣伝」が禁止に


リンデンラボ社が、今回、カジノの広告等の規制に踏み切ったのは、昨年10月13日に成立した、インターネットギャンブル禁止法(Unlawful Internet Gambling Enforcement Act of 2006)を意識してのことと思います。

ただ、カジノの禁止ではなく、広告規制という措置をとったのは、法的に曖昧なものを規制することによるユーザーの反発を避けると同時に、この措置により、直接的にカジノの収入減を図り、またカジノ経営者たちに、法律違反になるかもしれませんよという暗示的なメッセージを送ることにより、カジノの数を減らそうとしているように思えます。

つまりリンデンラボ社が企業としての存続を図るため、将来の法的リスクを減らす方向に動いた結果が、今回の広告規制につながったのだと思います。

さて、今回の件を考える上で、留意すべきと思われる点を二つほど挙げたいと思います。


★ リンデンドルの位置づけ

リンデンラボ社は、
利用規約の中でリンデンドルについて次のように規定しています。

1.4 Second Life "currency" is a limited license right available for purchase or free distribution at Linden Lab's discretion, and is not redeemable for monetary value from Linden Lab.

つまり、リンデンドルはライセンスであり、リンデンラボ社はその払い戻しには応じないということです。

リンデンラボ社はユーザーがリンデンドルを売買するための場として、LindeXという市場を提供しています。しかし、リンデンラボ社自身は、この市場においてリンデンドルの買取りは行なっていません。新規発行したリンデンドルを売却しているだけです。ですから、ユーザーがリンデンドルをLindeXで売る場合、買い手となるのは他のユーザーであって、リンデンラボ社ではありません。

言うなれば、リンデンドルは日本のゲーム場で使われている、ゲーム用のコインのようなものです。客はゲーム場でコインを買い、各種のゲームを楽しみます。ゲームを終えた時点でコインがあまっていても、ゲーム場はそれを買い取ってはくれません。ただ、セカンドライフが日本のゲーム場と異なる点は、あまったコインを、他の客が買い取ってくれることです。

なお、
ロイターの記事によれば、リンデンラボ社はカジノの問題について司法当局にアドバイスを求めましたが、まだ明確な回答は得られていないそうです。


★ 米国人立ち入り禁止のカジノ

ロイターの4月5日付記事で、インターネットギャンブル禁止法の適用を免れるため、米国人の立ち入りを禁止したPalmVegas.comというカジノのことが報道されていました。

このカジノを経営しているのは、Giddyup Holdings Inc.という英領ヴァージンアイランドにある企業です。

下の画像は、そのカジノの前にあった看板です。米国人以外の人しかここでプレイできないことが明記されています。中は普通のカジノで、私が訪ねた時には、誰もいませんでした。


4月7日付でSecond Life Heraldに掲載されたインタビュー記事の中で、同カジノのマネジャーであるAzno Simonsは、カジノの経営は米国外からアクセスして行なっている、カジノの客は米国人以外に限っている、またメインランドではなく自分たちの島でカジノを行なっていると述べ、さらに、法律家の助言を受けてこのような経営形態にしていることを明らかにしてます。

しかし、リンデンラボ社のサーバは米国内にあります。ですから、米国法の適用を受けるのではないでしょうか? 

そのことについて調べてみましたところ、インターネットギャンブル禁止法を解説したサイトに次のような説明がありました。


法的には、ギャンブルはインターネットの回線の両端で同時に行なわれたものとみなされる。

オンラインギャンブルのウェッブサイトは、プレイヤーが賭けを行なった時に居た州において、ギャンブルの事業を行なっているものとみなされる。(州法による規定。州によってはこの規定がないところもある。)


これらのことから、前述のカジノが米国人を排除した理由が見えてきます。

なお、サーバの存在地が、どのように関係してくるかはわかりませんでした。


カジノ広告規制の実施を表明したブログの中で、さらにリンデンラボ社は、個々のユーザーの年齢や居住国を、他のユーザーが確認できるようなしくみを今後導入することをも明らかにしています。そのことは、インターネットギャンブル禁止法の適用を見越しての対策なのかもしれません。

2007年4月7日土曜日

投資した銘柄が取引停止に・・・

World Stock Exchange(WSE)は、サーバー移転のため、3月末から4月初めにかけて、市場をクローズしていました。

さて、市場再開後、私が購入したThe Success Fund(TSF)が、現在どのくらいの値をつけているのか確認しようと思ってWSEのサイトをのぞいたところ、TSFは一時的に取引停止になっています。不思議に思い、WSEの会員宛てに送られてくる通知を、過去に遡って読んでみたところ、次のような内容の通知を見つけました。

WSEは、上場企業に対する月例の審査を実施し、その結果、上場基準に沿っていないと思われる次の企業を、継続審査のため一時的に取引停止にした。
 
Vixen Designs (WED) 不正の疑い
PC Labs (PCL) 不正の疑い
The Success Fund (TSF) 不正の疑い
Some Pau Escort (SEX) 情報開示の不足

私がTSFを購入した理由は、TSFのファンドマネジャーが、自らもファンドに出資してファンドを運営するからというものです。ですが、今回、改めてこのファンドに関する資料に目を通してみて、私の考え方が甘かったかもしれないこと、そしてTSFが取引停止になっている理由が何となくわかりました。

TSFのファンドマネジャーはSal Acklandが務めていますが、実は、この人物は、Virtual ComEx(VCX)の前オーナーであるVan Amesと同一人物だと言われているのです。(このことは、先日の「セカンドライフの2つの株式市場をめぐるゴタゴタ」というエントリーの中で言及した、SLMM.COMの記事の中に書かれていました。)なお、Sal Ackland自身ははそのことを否定しています。

Van AmesにはVCXの投資家たちの金を横領した疑いがもたれていま。ですから、Sal AcklandとVan Amesがもし同一人物であると判明したならば、そして横領の事実が確認できたならば、TSFは解散またはファンドマネジャーの解任ということになるのでしょう。

継続審査がいつ頃終了するのか、今のところ一切告知はありません。しかし、いつまでも一時的に取引停止というわけにはいかないでしょうから、WSEはいずれ何らかの結論を出すことになるでしょう。

法律も警察も裁判所もないこの世界で、どんな結論がでてくるのか、大いに興味をそそられます。

2007年4月6日金曜日

素性の良くないリンデンドルかも・・・?

Second Life Watch!さんの闇リンという記事に、リンデンラボよりも安くリンデンドルを売ってくれる業者がいるということが掲載されていました。どのくらい安いのかを具体的に把握するため、計算して比較してみました。

現在、リンデンドルと米国ドルの交換を扱っている主なところは、次の2つです。

リンデンラボ社の経営するLindeX
民間が経営するSL Exchage

上記記事のソースとなったサイトでは、安売りをしている業者のサイト名は明らかにされていませんでした。そこで、googleで検索した結果、Second Life TreasuresというRMTサイトを発見しました。また、eBayでもリンデンドルが売られているのを確認しました。

この2つのサイトでは、リンデンドルは、5,000とか10,000というように、ある程度まとまった量で売られています。

さて、100,000リンデンドルを購入する場合を比較してみます。(小数点第3位以下切捨て)

LindeX           374.53米国ドル
SL Exchange       354.73米国ドル
Second Life Treasures 284.62米国ドル
eBay             274.48米国ドル

eBayで購入するとLindeXで購入するより約27%も安く買えることがわかります。

ところで、100,000リンデンドルをLindeXで売ると、手数料の3.5%を控除しても、348.37米国ドルが得られます。eBayで売却するよりも、約70ドルも儲かるわけです。

手持ちのリンデンドルをLindeXで直接売却した方が儲かるのにもかかわらず、Second Life TreasuresやeBayの売り手たちは、なぜわざわざ安売りをするのでしょうか?

私が考えつく理由は2つです。

1. 実際にはリンデンドルを持ってない。つまり詐欺です。
2. LindeXで売ると不都合が生じる。

さて、リンデンラボ社は、2007年1月17日付の公式ブログで、Risk APIというプログラムを導入したことを明らかにしています。このプログラムは、怪しい動きをしているアカウントを特定し、リンデンドルの売買を阻止するというもので、他のリンデンドル交換所にも導入されています。

つまり、上記2の場合は、何らかの不正な手段で取得したリンデンドル、またはマネーロンダリングに関連したリンデンドルを売却しようとしているため、Risk APIによってアカウントが特定されることを嫌って、LindeXやSL Exchange以外の場所でリンデンドルの売却を図っているということが十分に考えられます。

なお、リンデンラボ社は、IMPORTANT NOTICE TO THIRD-PARTY EXCHANGESという通知の中で、SLのユーザーがLindeX以外の交換所でリンデンドルを購入した場合で、もしそのリンデンドルが不正に取得されたものであった場合は、購入者もその不正に加担したものとみなし、リンデンドルの没収、罰金、アカウント停止などの措置をとることを明言しています。

ですから、eBayなどで、安いからといってリンデンドルを購入した場合、もしそれが素性の良くないお金であった場合は、アカウント停止とまでは行かなくても、調査のため一時的にアカウントを停止させられるくらいのことは起こるかもしれません。

2007年4月5日木曜日

セカンドライフの2つの株式市場をめぐるゴタゴタ

先のブログにも記しましたが、現在セカンドライフには2つの株式市場があります。World Stock Exchange(WSE)とVirtual ComEx(VCX)です。 今、その2つの市場の関係者の間で中傷合戦が起きているようです。

4月3日付のSecond Life InsiderにShady dealings behind the exchanges? というタイトルの記事が掲載され、そこにShaun Altman(WSEの元CTOでWSEの50%の株を保有していたが、最近それを売却した)から、VCXのCEOであるJP Straussに宛てた、非常に長文の公開書簡が掲載されています。

また、同じ日に、同一の書簡がSecond Life News Networkにも掲載されています。

それに対して、JP Strauss側からの反論が、Second Life Insiderのその記事のコメント欄に、Second Life News Networkでは、Strauss calls letter baselessという記事に掲載されています。

また、それとは別に、Second Life News NetworkはDrama and Dissension Over the Mighty Dollarという記事を掲載し、今回の騒動の概要を伝えています。

今回の騒動は、WSEのCEOであるLukeConnell Vandeverreが、WSEを監視する目的で作られた自主団体、WSE Rescue Groupのメンバーを、WSEグループ(メンバーのみがWSEで取引できます)から除名したことから始まりました。

除名の理由は、WSE Rescue Groupが、WSEの信用を損なうような虚偽の発言を行なっているというものです。

WSEの元CTOであるShaun Altmanによれば、WSE Rescue Groupのそのような行動は、WSEのライバルである、VCXのCEO、JP Straussによって仕掛けられたものだということです。

また、Shaun Altmanは上記の公開書簡の中で、JP Straussの信頼性に疑問を抱いた彼が、JP Straussのことを調査し、その結果、JP Straussがあることを隠していることを知ったと述べ、さらに、JP Straussに対して、72時間以内にそのことを明らかにするか、またはVCXを閉鎖することを要求しています。

それに対してJP Straussは、WSEの信用を損なうような言動は一切していないと反論し、Shaun Altmanが自分のところにスパイを送り込んできたと彼を非難しています。

一方、 JP Straussによってスパイだとされた Xavier Zeddmoreは、上記のDrama and Dissension Over the Mighty Dollarという記事の中で、JP Straussが、VCXの前オーナーであったVan Amesが投資家たちの金を横領したのを知っていたにもかかわらずVCXを譲り受け、その事実を未だに隠していると述べています。

今回の一連の記事を読んで、金銭が絡むところには、行き過ぎた人間の欲望が噴出し、ドロドロしたドラマが始まる・・・そんな感想を持ちました。

2007年4月4日水曜日

ひと味違うCamping その7

撮りだめしておいた、ちょっと変わったキャンピング施設を一挙公開します。


ピザ屋さんの屋台です。偶然にも、きれいな和服姿のお姉さんがキャンピングしていました。

テーブルの上には、ご馳走らしきものが。

向こう側には、こちらとは対照的に、首かせをはめられてさらし者にされてるキャンパーが見えます。


2枚のレコードを交互にスクラッチングしながら、DJをやってます。


ピアノ弾きのアルバイト。


サンドバッグを相手に、黙々とボクシングの練習をしています。

デスクワークのキャンピングは、初めて見ました。


悪いことをしたらしく、パトカーの前で手錠を掛けられています。


Will Campの意味はよくわからなかったのですが、ホームレスの人がダンボールハウスにいるところのように見えます。

2007年4月3日火曜日

セカンドライフの株式市場、その2


★World Stock Exchange(WSE)の現状

WSEのオープンにグセレモニーが開かれたのは2007年3月6日。その後、上場企業7社で取引が開始されました。

その後上場企業の数は増え続け、現在の上場企業数(投資ファンドも含む)は29社、IPOを予定している企業は12社です。WSEで取引をしている人は1,216名。


(5月16日追記:上記文章中「IPOを予定している企業」という部分は、「IPO中の企業」と読み替えてください。事実を誤認したままお伝えしたことをお詫び申し上げます。)


上の画像はWSEを経営するHope Capital Ltd.の建物です。WSEはこの中にあります。建物の正面に日本の国旗が掲げられているのが不思議ですよね。経営者がオーストラリア人ということですが、日本と何かつながりがあるのでしょうか?



WSEの様子です。中央にATMがありますので、そこにお金を預け、WSEのWebサイトに登録すると、取引ができるようになります。私がこの画像を撮影したときは、WSEがちょうどサーバー移転のためクローズしてましたので、ATMには覆いがかけられています。


Second Life Insiderが3月8日からWSE関連の数値を掲載していますので、それを拾ってみました。(以下、換算レート 1米国ドル=117.72円)

WSEにおける取引高は次のとおりです。



非常にばらつきが多く、多い日は500万円を超えますが、少ない日は約100万円です。
3月8日から3月30日の平均を計算してみたところ、1万9,265ドル(約226万8,000円)となりました。それに単純に365倍すると、約8億2,700万円。かなりの金額になりますね。


なお、3月31日は、WSEのサーバー移転のため、マーケットは公式にはクローズしていたはずなのですが、実際には、ATMも取引サイトも動いてましたので、取引が成立してしまっています。そのような事情から、上記の平均の計算では3月31日をはずしてあります。


次に、株価の動きです。Second Life InsiderがWSE1000という指数を発表していますので、それをグラフにしてみました。


WSE1000は、全取引高(リンデンドル)/取引された株式*1,000で算出されます。つまり全銘柄についての1,000株当たりの平均株価(単位:リンデンドル)ということになります。


3月8日を基準値として、どのくらい変動してるかをみると、+30%~-34%の幅で変動しています。日経平均などと比較すると、結構大きいように思えます。


ところで、以前にも触れましたように、セカンドライフには会社法などというものはなく、ビジネスを規制する法律は何もありません。ですが、WSEはConstitutionという名称の独自の基準を定め、上場する企業については、その基準にそって、取締役選任などを義務付けています。


また、3月26日には、Securities & Investment Commission(証券取引委員会)を発足させ、今後、上場企業の監督・管理をしていくつもりのようです。


このように徐々に形式を整えつつあるWSEですが、株式市場として今後発展していくためには、まだ、クリアすべき課題があると思います。


一つめは、各企業を比較するための統一された物差しがまだないことです。

現実世界であれば統一された会計基準が存在し、それに沿って作成された貸借対照表や損益計算書を見ることによって、投資家は、各企業を客観的に比較することができます。
しかし、セカンドライフの世界では、そのようなものはまだ整備されていません。投資家は、各企業の目論見書とその他の公表資料しか判断の材料にはできません。


二つめは、株主としての権利が不明確なことです。

そこが曖昧なうちは、現在の株式は、配当をもらうためのただの切符にしか過ぎません。


三つめは、株主を保護する仕組みがないことです。

たとえば、あるアバターが会社を作り、壮大なプランを目論見書で展開してIPOで多額のお金を集め、数日後にはセカンドライフの世界から消えてしまうということも起こり得ることです。その場合、今のセカンドライフの仕組みでは、消えてしまったアバターの持ち主を追跡することは不可能です。

セカンドライフの株式市場は、ただのマネーゲームかもしれません。しかし、仮にゲームであったとしても、そこでのフェアプレイが保証されないのであれば、人々はそのうちに離れていってしまうと思います。

2007年4月2日月曜日

セカンドライフの株式市場、その1

今回は、セカンドライフの株式市場について調べてみました。

★現在までの経緯

最初にセカンドライフの世界に株式市場が登場したのは、2005年7月。Shaun AltmanがCyberland Equities Exchangeという名称の株式市場をオープンさせました。そこに上場された企業はわずかに1社、Cyberlandだけで、同社もShaun Altmanが保有する企業でした。

その後、同年8月には、Cyberland Equities Exchangeは名称をSecond Life Stock Exchangeに変更し、さらに10月には、Metaverse Stock Exchangeへと変更しました。

詳しい事情は不明ですが、Metaverse Stock Exchangeでは上場企業がわずか1社という状況がその後も続きました。

一方、2007年の1月には、Hope Capital Ltd.が同社の一部門として、World Stock Exchange(WSE)という株式市場を創設しました。

Hope Capital Ltd.は23歳のオーストラリア人、LukeConnell Vandeverre(本名Luke Connell)が経営する金融サービス企業で、株式市場のほかに、外国為替市場(今のところ、現実世界の通貨とは交換不可の模様)、銀行であるOurBank Limitedも運営しています。

WSEは当初の予定では1月に市場を正式オープンするはずでしたが、実際の開業はずるずると遅れました。そのため、それに不満を抱いたある企業の経営者が、WSEの集会の席上で、自社株式のIPOをWSEで行なうことを中止し、代わりに、新しくオープンした別の株式市場である、Virtual Commerce Exchange (VCE)で行なうことを発表したというような出来事もありました。

このVirtual Commerce Exchange (VCE)は、大手金融サービス企業であるAmes Groupによって創設された株式市場で、2007年1月30日に営業を開始しました。しかし、はっきりした理由は不明ですが、その後市場は閉鎖され、経営者であるVan Amesは経営から手をひきましました。どうもプログラムミスがあり、金銭的なトラブルがあったようです。

VCEはその後、JPSという企業のCEOである、JP Straussに引き継がれ、名称をVirtual ComEx (VCX)に変更しました。SLNN.COMの3/22付の記事によれば、VCXは3月25日に仮オープンするとのことでしたが、今日現在、VCXの建物がある場所には入れないようになってましたので、開業が遅れているようです。下の画像がVCXです。



話は前後しますが、2007年2月中旬には、開業以来、上場企業一社のまま、細々と営業を続けていたMetaverse Stock Exchange(MSE)と、新規開業の準備中であったWorld Stock Exchangeとが合併しました。合併後の名称はWorld Stock Exchange(WSE)を使用し、MSEを保有していたSecond Life Solutions(Shaun Altman保有)とHope Capital Ltd.とがWSEの経営権を半分ずつ持つこととなりました。

WSEは3月初めに市場をオープンし、上場企業7社で取引が開始されました。

しかし、3月中旬には、WSEの半分の経営権を持つShaun Altmanが経営から手を引くこととなりました。

その際の条件として、Shaun Altmanが、WSEの経営権を手放す代わりに、Hope Capital Ltd.の新規発行株式1,250万株を取得し、そのうちの約400万株を彼が売却するつもりであることが明らかになったことから、Hope Capital Ltd.の株は半値近くまで暴落しました。

2007年4月1日日曜日

続・同じドレスがあっちにもこっちにも!?

私は前回のブログで、私が買ったドレスと同じものが他の複数の場所でも売られていたことから、小売-卸売のパターンが成立していると書きました。

通常、卸売業は、ある程度まとまった数量の商品を小売店に買ってもらいます。そして、安い価格で卸す代わりに、大量に売ることで利益を得ています。

しかし、コピーが簡単にいくつでも作れるセカンドライフの世界では、現実の商取引の場合における「まとまった数量」という概念は成立しません。

ですから厳密には、私が前回言及した流通パターンは卸売業とは言えないかもしれません。けれども、生産者と小売業の間に入って商品を扱うという意味では、卸売業に近いものがあると思います。 そして、小売業のみに専念したいという人が増えていくなら、これからは卸売業が発達するかもしれません。

さて、もし卸売業者が存在しているのなら実際に見学してみようと思い立ち、検索パネルで"wholesale"でサーチしてみました。

ヒットした結果の大部分は、"wholesale"という言葉を、「卸売価格並みに安い価格で販売してます」という文脈で使っていました。ですがその中で2件ほど、「小売用に販売しています」という趣旨のことが記されている店があります。

早速そのうちの一箇所にテレポートしてみました。




1Fには、アクセサリーやヘアが並んでいました。すべて、フルパーミッションのもので、個別にも買えますが、まとめ買いもできます。ディスプレイの前におかれている小さい木目の箱が、まとめ買い用のものです。ちなみに、アクセサリーの方は、22種類で500リンデンドル、ヘアの方は9種類で1,500リンデンドルでした。


2Fに上がってみました。女性用の洋服が並んでいます。私が買ったドレスも、その中にありました。

婦人服もすべてフルパーミッションで、一着50リンデンドルでした。こちらは、すべて個別売りです。


私が買ったドレスの卸売り価格は50ドルだったわけですが、小売店の中には、それを300ドルで売っているところもありました。つまり一着売れば元が取れると言うわけです。ボロ儲けのような気もしますが、婦人服は競争が激しいので、たぶん、そう簡単にはいかないように思います。


手っ取り早く小売業を経験してみたいと言う方には、ここで商品を仕入れるのも良いかもしれませんね。