7月下旬にリンデンラボ社が実施したギャンブル禁止令が、セカンドライフの経済にどのくらいの影響を及ぼしたのかを見るために、グラフを作成してみました。(6月18日-9月11日)
使用したデータは、Second Life Insiderで毎日発表されている、「インワールドにおける過去24時間の取引額」(米国ドル換算額)および「同時接続人数の1日における中央値」です。(データが取得できなかった日のグラフは空白になっています。)
使用したデータは、Second Life Insiderで毎日発表されている、「インワールドにおける過去24時間の取引額」(米国ドル換算額)および「同時接続人数の1日における中央値」です。(データが取得できなかった日のグラフは空白になっています。)
ギャンブル禁止令が実施されたのは7月25日。グラフからわかるように、7月29日以降、取引額は減少しており、現在までその傾向が続いています。
同時接続人数のグラフが落ち込んでいる日がところどころにありますが、これは、メンテナンス日、または、システムに深刻なトラブルが発生した日です。
取引高の減少の要因としては、サマーリセッション(注)も考えられますが、バカンス時期の同時接続人数が減少していないことから、7月29日以降の取引高の減少はギャンブル禁止令の影響によるところが大きいものと思われます。
(注:夏はバカンスに出かける人が多く、そのためセカンドライフへの接続が減り、それによって景気後退が起こること)
そしてその影響の大きさですが、実質的な大きさは、グラフから読み取れる取引額の減少分よりもかなり小さいのではないかと思います。
グラフに使用した「インワールドにおける過去24時間の取引額」のデータは、もともとはリンデンラボ社から提供されているものですが、この金額はモノ・サービスの売買などの商取引のみを表しているわけではなく、アバター間のお金のやり取りを単純に、自動的に集計したもののようです。(ソース:SECOND LIFE HERALD "$1.6 Million US Dollars Spent," and It's Fake (ok, what else is being faked?) ")
ギャンブルというのは、勝ったり負けたりと、お金のやり取りが何回も発生するものです。ですから、取引額を膨らませる要因になります。すなわち、プレイヤー同士、またはプレイヤーと胴元とのお金のやり取りはすべて取引額としてカウントされてしまいますが、胴元の売上げとなるのはその一部分であり、ギャンブルでのお金のやり取りの合計と比較すると、かなり小さなものとなります。
したがって、グラフで見ると、ギャンブル禁止令後の取引額は約4割も落ち込んでいますが、ギャンブル禁止令がセカンドライフの経済に与えた実質的な影響は、もう少し小さくなるはずです。
なお、7月28日は、インワールドの取引額が突出していますが(443万3,000米国ドル)、この日のデータが本当に正確なものなのかどうか疑問です。
前日の7月27日には、Ginkoの取付け騒ぎが起こっています。その結果Ginkoは、資金不足に陥り、引き出し限度額を大幅に下げたわけですが、その当時の預金残高は、約1億9,200万リンデンドル、米国ドルに換算して約71万米国ドルです。
ユーザがGinkoから預金を引き出した分も、インワールド内の取引額としてカウントされます。しかし、7月28日の取引額は、Ginkoの預金残高をはるかに上回るものであり、取付け騒ぎ時のお金のやり取りを反映しているとは思えません。7月28日のデータはSecond Life Insiderの記事の誤植のような気がします。
4 件のコメント:
ちょっと意外でした。
ギャンブル富豪が減ってバーチャルアイテムの販売額にも影響がいったりとかなんですかね。。。。
ギャンブル禁止令以前に、ギャンブルで勝った人が、儲け分を、物品の購入でぱぁーと使っていたということは考えられますね。
取引額の減少は、もともとのデータの取り方によるところが大きいと思います。
たとえば、AとBの二人がポーカーの勝負をしたとして、二人が賭け金を100ドルずつ胴元に払い込んだら、それだけで記録上は200リンデンドルの取引です。そして胴元が勝ったほうに、たとえば10%のテラ銭をのぞいた残りの額である180ドルを渡したら、それでもう、取引額の合計は380ドルになります。実際には、勝者が80ドルを儲け、胴元が20ドルを儲けただけです。
データ揃ってないこと、そして、SL経済の一部がリンデンドル以外で決済されているので(土地のレンタル代など)、景気判断は非常に難しいと感じています。
ギャンブルは禁止しなくてもよかったんじゃないかなぁ
脳内メーカー
ギャンブル禁止による経済への影響および、住民たちへの心理的影響と、ギャンブルを容認しておくことで抱える法的リスクを天秤にかけた結果の判断だと思います。
ヨーロッパなどでオンラインギャンブルが認められている国もあることから考えると、かなり保守的な判断だと思います。
少し前にFBIが視察に来ていますから、FBIから何か言われたのかもと思いました。
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