2007年7月19日木曜日

セカンドライフ規制強化の動き・・・その後、その1

5月31日にリンデンラボ社はその公式ブログで、児童ポルノ、性的暴力行為、暴力行為、その他露骨に不快感を与えるコンテンツに関する同社の方針を明らかにしました。

(参考エントリー:セカンドライフの規制強化の動き

その後、この規制を巡り、さまざまな動きがありましたのでご紹介します。


★規制に反対する住民の運動

リンデンラボ社は、従来の方針を変更したわけではないと主張していますが、住民側の受け止め方はこれとは異なり、規制強化、すなわち自由な活動の幅を狭めるものとして捉えました。そしてこの方針に抗議して、住民の間で次のようなグループが結成されました。

BDSM is Safe - BDSM is Not Abuse
I am for a FREE Second Life
National Coalition Sexual Freedom
First They came For...
SL Society for Expressive Freedom
Stop the Oppression
Ladies in Self Bondage
The Broadly Offensive
Moral Majority  など。

抗議活動の具体的な内容ですが、上記のI am for a FREE Second Lifeグループの場合は、自分のプロフィールの最初の部分に"I am for a FREE Second Life!" という文言を掲示する、自分の土地に抗議文の書かれた看板を設置するということを行なっています。

さて、6月初旬には、いくつかのグループを取りまとめるような形で、上部組織として、United Protestという団体が結成されました。

同団体のミッション・ステートメントには、次のように書かれています。

... aimed at keeping Second Life free from censorship and keeping it a world with full freedom of expression ...

つまり、検閲の存在しない、表現の自由があるセカンドライフにすることが同団体の使命だそうです。

ところが、設立後間もなく、United Protestの代表者であるJazhara Keonは、pedophile(幼児性愛者)であると自らの性的嗜好を明らかにした人物をグループから除名し、同時にリンデンラボ社にAbuse Report(通報)しました。

このことは同団体の公式ブログのUnited Protest *against* pedophilia(United Protestは小児性愛に反対)という投稿の中で明らかにされました。

これに対しては、幼児性愛という性的嗜好と実際の幼児虐待とは区別されるべきものであり、United Protestの取った措置は間違っているという非難の声がコメント欄に寄せられました。

この非難に対して、Jazhara Keonは次のように答えています。

As United Protest though, we may not be affiliated or associated with pedophilia, simply because it will endanger the whole operation legally.

You state: "...there is a HUGE distinction between pedophilia (legally permissable victimless thought) and child molestation (illegal and prohibited victimising action)..."That, we are fully aware of. I don't judge a pedophile, I don't automatically assume a pedophile is a childmolestor. That would be presumptious, and prejudiced. I do encourage preventive measures though, and hence point out to the proper authorities that they should be aware and vigilant. (In this case Linden Lab, since I do not know who the man is RL).

つまり、グループの中に小児性愛者が混じることは、この活動全体を法的リスクにさらすことになる、また、性的嗜好としての幼児性愛と、実際の行動としての児童虐待の間に大きな区別があることは理解しているが、犯罪の未然防止策として、当局(この場合リンデンラボ社)に通報したとのことです。

組織の安泰のために、危険分子は早めに排除するということなのでしょうが、ドイツのマスコミからエイジプレイのことでつつかれた後、規制強化の方針を明らかにしたリンデンラボ社のやり方と方向性が一緒であるような気がします。

この件で、どのくらいの人々がこの運動から離れたのかは定かではありません。United Protestは、その後も、ロビン・リンデンとの会談、抗議文書への署名活動等を続けています。

なお、Open Letterと題された抗議文書に署名した人の数は、今日現在で419名でした。同団体に属する、BDSM is Safe - BDSM is Not Abuseグループのメンバー数が1,093名、I am for a FREE Second Lifeグループのメンバー数が906名ということから考えると、運動があまり盛り上がってないような気がします。

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