Ginkoでは、いまだに資金ショートの状態が続いています。
最近まで、預金者一人当たりの1日の引出し限度額が5,000リンデンドルに制限されていたため、預金者の中には、知人に新しい口座を開いてもらい、そこに自分の口座からお金を送金し、知人の口座経由でお金を下ろすことによって限度額をかいくぐろうとした人もいたようです。
このような中、預金者間の公平を期すため、8月3日には、Ginkoは、預金引出しに順番制を取り入れました。
預金者は預金引出しの手続きをしたときに、予約番号を割り当てられます。そしてGinkoは資金があるときに、予約番号の若い順から、預金引き出しのリクエストに応じていくわけです。
私も少額ですがGinkoに預金がありましたので、昨日、引出しに行ってみました。最初に残高の確認をすると次のような表示がでました。
Ginko Financial ATM: Currently processing number 538 of 3511. (L$44,510,485)
引き出しのリクエストが全部で3,511件あり、現在538番目を処理中とのことのようです。
引出しの手続きをすると、私のリクエストは2,687番目との表示がでました。
ところで、538+2,687=3,225にしかなりませんので、上記のATMの表示は正確ではなさそうです。
なお、8月5日には、Ginkoは、1日の引出し限度額を100万リンデンドルに引き上げたほか、普通預金の金利を0.01%から0.1%まで引き上げました。
8月6日には、SECOND LIFE HERALDにGinko関係者のインタビュー記事が掲載されました。
その中で、GinkoのCEOであるNicholas Portocarreroは、Ginkoの債務が約2億リンデンドル(約8,860万円)あることを明らかにしています。また、GinkoのHinoserm Rebus(正確な役職名は不明)によれば、その時点での預金引出しのリクエストの未処理分が約3,000万リンデンドル(約1,330万円)あるとのことでした。
★Ginkoの行く末は?
財務諸表が公開されていないので、正確なところはわかりませんが、これまでの経緯からみて、Ginkoはおそらくは債務超過なのではないでしょうか。そして、預金の払い戻しができない状態なのですから、実質的に破綻していると思います。
ですが、セカンドライフの世界には、破産法がありませんから、「破産」にはなりません。つまり、Ginkoの経営陣がログインし、ATMとウェブサイトが稼動している限り、Ginkoは存続し続けることになります。
ただ、個人的には、現在のような状況が永遠に続くとは思えません。Ginkoを運営するためのインフラのコスト(シムの使用料、サーバの費用)は毎月発生しているはずですし、また、システムを運用するための人件費も発生しているはずです。
ある時点で、これらの費用が払えなくなり、まず、Ginkoのシステムが止まることが考えられます。そして、Ginko関係者がセカンドライフの世界にログインしなくなってしまうかもしれません。
あるいは、セカンドライフの悪いイメージが広がるのを防ぐために、リンデンラボ社が介入してくる可能性もあります。
Ginkoの公式サイトでは、「多数の人々がGinkoを支援してくれており、今回の問題を乗り切る希望を持っている」と述べられていますが、これからGinkoにお金を預けようとする人がいるとは、あまり思えません。
私の預金が払い戻される可能性は、0%に近いのではないでしょうか。
2007年8月8日水曜日
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2 件のコメント:
結局はリアルの裁判所に持ち込むしかないようですが,預金の回収は厳しそうです。
リンデンラボがどのような態度に出るのかが注目されます。
単に借りたものを返せないというだけのことであれば,当事者間で解決して下さいということになりますが,犯罪性があるとしたら,放置するのはいかがなものでしょう。なかなか,そこまで踏み込んだ判断をするのは勇気がいりますが。
いずれにせよ,貴重な先例となると思われます。
「犯罪性」があったと言えるのかどうかが問題になりそうな気がします。私から見ると、GinkoのCEOが、単に自信過剰で考え方が甘かったように見えます。
「故意」ではないにせよ、「過失」があったことは間違いなさそうですね。
>いずれにせよ,貴重な先例となると思われます。
ええ、そう思います。
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