2007年6月19日火曜日

5月の統計から・・・ビジネスオーナーたちが稼いだ利益と住民たちの支出

★インワールドのビジネスオーナーたちが得た利益の推定総額

セカンドライフ内での経済活動の動向を見るため、リンデンラボ社が発表しているEstimated In World Business Owners というデータを用いて、ビジネスオーナーたちがセカンドワールド内で得た利益の総額を推計してみました。その推移を表したのが下のグラフです。 比較のため、住民数の推移も表示してあります。


5月の推定額は425万7,945米国ドル、約5億2,600万円でした。(1米国ドル=123.52円=269.5351リンデンドル)

グラフからもわかるとおり、4月以降、伸びが鈍化しています。5月の対前月比の増加率は2.7%でした。

また、月間に5,000米国ドル超の利益を得たユーザー数は、4月は139人でしたが、5月も139人と横ばいとなっています。

推計方法は次のとおりです。Estimated In World Business Ownersでは、月間の収入がプラスとなったユーザーを、その額に基づいて9つの層に分け、その層毎に該当する人数を示しています。

そこで、各層の中央値にあたる金額とその層に属する人数を掛け合わせた金額を層ごとに算出し、その後、全部の層の合計を出しました。

なお、最高額の層は利益が5,000米国ドル超となっており、中央値はとりようがありませんので、便宜上、この層に属する人々の利益の額を5,000米国ドルとして計算しました。

Estimated In World Business Ownersで利益として計上されるものには、土地売買からの利益は含まれていません。またリンデンラボ社がユーザーに課す各チャージの控除前の金額です。

なお、上述の推計方法の説明から明らかなように、最上位層に属する人々のばらつきにより、推定の精度が大きく影響を受けます。この点をご了解ください。最上位層の人々の利益の合計額が全体に占める割合は、5月は約16.3%でした。

★住民たちの支出の合計額

Monthly Spending by Amountのデータを基に、上と同様の方法で、セカンドライフの住人たちが、インワールドで支出した金額の月間合計額を推計してみました。下がその推移を表したグラフです。


5月における、住人たちの支出の推定合計額は、約54億4,310万リンデンドル、日本円にして約24億9,400万円になりました。


5月の対前月比の増加率は-0.1%でした。なお、上述のものと同様な、推定精度の限界があり、実際にマイナスとなっているかどうかは不明です。しかし、少なくとも、伸びが大幅に鈍化していると言えると思います。


元データであるMonthly Spending by Amountは、各住民を月間支出額に基づいて9つの層に分け、その層毎の該当人数を示したものです。最上位の層は、月間支出額が100万リンデンドル(約46万円)超。この層に属する住民は、4月は862人、5月は834人で、5月は前月より減少しました。

前回のエントリーに掲載したグラフから明らかなように、マネーサプライは相変わらず伸び続けています。ただし、マネーサプライの増加要因の一つは、リンデンラボ社がプレミアム会員に毎週支給するスティペンドであり、これは経済活動の盛衰には関係なく、毎月新規に発行されるお金です。

それに対して、もう一方の増加要因である、リンデンラボ社が新規に発行しLindeXで売却するリンデンドルは、需要に応じて発行されるお金であり、4月以降、これは減少傾向にあります。

上のグラフからもわかるように、ビジネスオーナーたちの利益額、住民の支出額の伸びは鈍化しており、リンデンドルの新規発行売却高がも減少傾向にあります。したがって、SLのインワールド経済の伸びは鈍化していると言えるのではないでしょうか。

2007年6月16日土曜日

リンデンラボ社発表の5月のKey Metricsより

リンデンラボ社から、5月のKey Metricsが発表されましたので、その中からいくつかの項目をピックアップしてご紹介します。

まずは、住民数、ユーザー数、プレミアム会員数の推移から。

プレミアム会員数の推移だけを表示したグラフは次のとおりです。 


5月末の住民数は686万473人でした。住民数というのは個々のアバターの数です。一人のユーザーが複数のアバターを持つ場合あります。

5月末のユーザー数は437万810人、 プレミアム会員数は8万9,845 人でした。
伸び率ですが、対前月比の伸び率は、住民数が15.2%、ユーザー数が15.6%、プレミアム会員数が8.2%でした。対前月比の伸びは、いずれも先月に比較して低下しています。

次に、性別比(アカウント登録時に申告した性別)です。

アカウント数による男女比の推移は次のとおりです。5月は男性が73.64%、女性が26.36%でした。


利用時間による男女比の推移は次のとおりです。5月の男女比は男性が57.15%、女性が42.85%でした。

2つのグラフを比べてみると、女性の方が長時間セカンドライフを利用していると言えます。

国別のアクティブ・レジデンツ(過去1ヶ月間のログイン時間が1時間を超える住民)の上位10カ国は次のとおりです。アクティブ・レジデンツの合計は、人数が50万7,844人、時間数が1,819万5,345.時間でした。日本はそれぞれ、3.7%と3.16%を占めています。
なお、今回から統計の表示が変わり、アクティブ・レジデンツの国別の実数がわかるようになりました。
日本は1万8,778人です。
 
また、国別のカテゴリーに「不明」と「その他」のカテゴリーが新たに加えられました。 そのため、人数別の順位で日本は、先月は8位、今月は9位となっていますが、今月は上位に「不明」があることにご留意ください。

なお、利用時間別でも日本は9位になっています。上位10位は、多い方から順に、米国、ドイツ、フランス、英国、オランダ、スペイン、イタリア、カナダ、日本、ブラジルとなっています。


次にマネーサプライです。




5月末のマネーサプライは、28億3,151万7,265 リンデンドル、日本円に換算して 約 12億8,900万円でした。(1米国ドル=271.1709リンデンドル=123.44円)
対前月比の伸び率は10.2%でした。


リンデンドルの為替市場(LindeX)の取引高の推移は次のとおりです。


5月のリンデンドルの為替取引高は18億3,850万5,147リンデンドル、日本円にして約8億4,400万円。対前月比で4.9%の減少となりました。
リンデンラボ社の新規発行売却高は1億3,136万5,341リンデンドル(約6,100万円)。対前月比で30.6%の減少となっています。

最後に土地です。


5月末の土地の合計面積は、651.39平方キロメートル。うち、メインランドが160.06平方キロメートル、プライベートアイランドは491.32平方キロメートルでした。
対前月比の増加率で見ると、全体では12.4%の伸び。メインイランドの増加率が10.8%、プライベートアイランドの増加率が13.0%でした。

2007年6月12日火曜日

eBayでリンデンドルを購入した人が、アカウント停止に!

先日のエントリーで、リンデンドルがeBayで売りに出されていることをお伝えしました。その中で、それらのリンデンドルが素性の良くないものではないかということを書きましたが、それに関連すると思われる事実がThe AvaStarの25号に掲載されていましたので、ご紹介します。

同誌のResidents Lose All in eBay Banという記事で、eBayでリンデンドルを購入したユーザが、アカウント停止措置を受けたことが報じられています。具体的な事例は次のとおりです。

Chantal Odellの場合: eBayで10,000リンデンドルを購入し、うち6,000リンデンドルを受け取ったあと、アカウント停止。

Marietta Baileyの場合: eBayで10,000リンデンドルを購入し、そのリンデンドルを受け取った1時間後にアカウント停止。

Toto Bonettoの場合: eBayで50,000リンデンドルを購入し、うち26,605リンデンドルを受け取った後、アカウント停止。サポートに連絡し事情を説明したところ、3日後にアカウントが復活。なお、再度eBayからリンデンドルを購入したら永久アカウント停止措置をとるとサポートから言われたため、eBayの売り手から残額を受け取ることを断念。

セカンドライフの利用規約の中に、eBayにおけるリンデンドルの売買を禁止する規定はありません。それにもかかわらず、上記の3人がアカウント停止されたのはなぜでしょうか?

あくまでも私の推測ですが、おそらく、eBayで売られていたリンデンドルは、何らかの不正手段によって入手されたものであり、リンデンラボ社は、それに関係しているアバターをマークしていたのだと思います。そして、そのリンデンドルをインワールドで受け取った一般ユーザを、その不正にかかわったものと見なしてアカウント停止措置に処したのではないでしょうか。

もしかしたら、偽造クレジットカードで購入されたリンデンドルがマネーロンダリングされようとしていたのかもしれません。

なお、eBayのサイトを見てみると、現在もリンデンドルの売り物がいくつか出ています。即決で購入できるもので、さまざまな売り手のものをいくつかを拾ってみました。

10,000リンデンドル 42.89米国ドル (1米国ドル=233.15リンデンドル)
20,000リンデンドル 95.00米国ドル (1米国ドル=210.52リンデンドル)
20,000リンデンドル 88.66米国ドル (1米国ドル=225.58リンデンドル)
20,000リンデンドル 75.00米国ドル (1米国ドル=266.66リンデンドル)
30,000リンデンドル 130.99米国ドル (1米国ドル=229.03リンデンドル)
80,000リンデンドル 340.99米国ドル (1米国ドル=234.61リンデンドル)

リンデンラボ社が経営するLindeXでリンデンドルを購入した場合、現在、1米国ドル=267リンデンドルで買えますから、買い手側からみれば、eBayで購入するよりも、LindeXで購入した方が有利です。

一方、LindeXでリンデンドルを売却した場合ですが、1米国ドル=276リンデンドルが最も良いレートです。リンデンドルの売り手側から見た場合は、eBayで売った方が有利になります。

なお、4月6日の時点では、eBayで1米国ドル=364.33リンデンドルという、買い手側に非常に有利な条件の売り物もあったのですが、現在はそのようなものは見当たりませんでした。

ところで、LindeXで購入したほうが有利であるのにもかかわらず、eBayに売り物が出ているということは、それを買う人がいるということだと思います。

LindeXは、各ユーザに対して利用限度額を設けています。そのため、インワールドで土地を購入しようというときに、その限度額のせいで、十分なリンデンドルが用意できない場合もあります。そのようなことが、eBayでのリンデンドルの需要を生み出しているのではないでしょうか。

今回、アカウント停止措置に至った背景は実のところ不明ですが、eBayでリンデンドルを購入するのは避けた方が賢明かもしれません。また、eBayで購入したこと自体が問題なのではなく、たまたま不正資金を購入したことがアカウント停止につながったのであれば、今回のようなケースは、別の売買サイトでも起こりうるかもしれません。

2007年6月8日金曜日

セカンドライフの株式市場・・・WSEの5月の動向

World Stock Exchange(WSE)の現在

上場企業数 61社(取引停止中の銘柄を除く)
IPO中の企業数 25社(6月8日現在)
会員数3700超 (WSEの6月8日付アナウンスメントより)

以前と比較してみますと、5月15日時点の上場企業数は60社(取引停止中の銘柄を除く)、IPO中が21社でしたので、銘柄数については、そのときからさほど規模は変わってないと言えます。


★WSEの5月の動向

5月中の取引高の推移は次のとおりです。


5月の月間総取引高は約28万9,500米国ドル、日本円で約3,511万3,000円。1日あたりの平均取引高は約9,339米国ドル、日本円で約113万3,000円でした。(1米国ドル=121.29円=268.6812リンデンドル)

1日あたりの平均取引高を以前の数字と比較してみますと、3月は1万9,265米国ドル、4月は1万7,700米国ドルでしたので、5月はかなり落ち込んでいます。

前回お伝えしましたように、4月27日にはInternational Stock Exchange(ISE)が、また5月23日には、Allenvest International Exchange(AVIX)がオープンしました。もちろん、このライバル市場の登場がWSEでの取引高に影響を与えている可能性はありますが、セカンドライフの加入者数の伸びを考慮すると、投資家離れが既に起きているのかもしれません。

次に、株価の動きです。Second Life Insiderが毎日発表しているWSE1000という指数の推移をグラフにしました。

WSE1000は、全取引高(リンデンドル)/取引された株式数*1,000で計算されています。つまり全銘柄についての1,000株当たりの平均株価ということになります。


4月末日を基準値として、どのくらい変動しているのかをみてみますと、+139.0%~-25.8%の幅で変動していました。

★最近の出来事

前回のレポート以降の主な出来ごとを拾ってみました。

5月22日にはAllenvest Investment Capital (AIC)が同社CEOの要請により取引停止。翌日、同銘柄がAllenvest International Exchange(AVIX)に移されて、AVIXがオープンしたことは、先日のエントリーでお伝えしたとおりです。

5月23日にはMontana's Poker Room (MPR)が取引停止になりました。ここは、ポーカーゲームを中心としたカジノでしたが、CEOであるMontana Ryderが、ある時期を境にセカンドライフに姿を見せなくなってしまい、それを受けてとられた措置だそうです。ここはカジノですし、同社の3月末の決算報告をみても黒字ですので、経営に行き詰ったとは考えにくく、CEOがなぜ姿を見せなくなったのか不思議です。

同じく5月23日には、Ginko Investment Fund (GIF)の全株式が、Ginko Financialによって買い戻されました。このGIFは、Ginko FinancialのCEOであるNicholas Portocarreroがファンドマネジャーとなって運営していたもので、買戻し価格は、1株1.5リンデンドル。その時点で、1株あたりのNAV(純資産価値)が0.85リンデンドルでしたので、Ginko Financialは、この買戻しによって評価損を抱えることになります。買戻しの理由は、GIFを上場して以降、Ginko Financialの戦略が変わったからとのことですが、ファンドの運営成績が悪いので撤収したというところでしょうか。

5月27日には、Karlfeldt & Delgado Mutual (KDM)のIPOがロールバックとなりました。IPOの場合、公開した株式の40%~100%が売れるのが通常だそうですが、KDMの場合は約3%しか売れなかったとのことです。

5月31日には、WSEとHope CapitalがSilicon Islandに移転しました。
下の画像が、新しい建物とその内部の様子です。



6月6日にはWSE2.0と名づけられた新システムがWSEに導入されました。主な新機能および変更点は次のとおりです。


●株価推移、ローソク足チャート、取引高推移、株主構成のグラフの表示

●各企業のCEOがWSEの事前承認無しに自社株式を売却することが不可能になった。
●成行き注文の売りが不可能になった。(成行き注文の買いは可能です。)
●上場企業が、株式を新規発行して売却することが可能になった。
●大株主上位5名の表示。

いまのところ、株主の権利が曖昧であり、株主が会社の経営に影響力を行使できるような仕組みになっていませんので、大株主を表示しても、あまり意味はないように思います。

ちなみに、WSEの関係会社であるHope Capitalの大株主は次のようになっていました。

アバター名            所有株式数   割合
Nicholas Portocarrero      6,967,766    27.87%
Lukeconnell Vandeverre     5,476,871    21.91%
Third Party             3,610,022    14.44%
Shaun Altman           2,836,323     11.35%
Alexis Enfield            1,580,333    6.32%

第1位の大株主は、Nicholas Portocarrero。この人物は、Ginko FinancialのCEOなのですが、Hope CapitalのCEOであるLukeconnell Vandeverreを抑えて、1位になっているというところがおもしろいところです。

また、第3位はThird Partyとなっていますが、これが誰を意味するのかは、どこにも説明が見当たりませんでした。

なお、WSEはそのアナウンスメントの中で、現在までに、WSEの上場銘柄のうち平均して8-13%が取引停止になっていることを明らかにしています。そして、この数字は、規制のゆるい環境の中での予想に沿ったものであるとしています。

また、将来的には、セカンドライフにログインしなくてもWSEで取引ができるようにすること、および、独自の通貨両替の仕組みを導入することも明らかにしています。

補足:今までブログの中で、「関係会社」という言葉を何回か使用してきましたが、セカンドライフには法人というシステムはなく、従って、厳密には、子会社、関連会社というものもありません。本ブログにおいて「関係会社」と記してあった場合には、同じCEOが経営を支配している会社という意味にご理解ください。

2007年6月5日火曜日

新しい株式市場・・・Allenvest International Exchange(AVIX)とその他の株式市場

★Allenvest International Exchange 
 
先日のエントリーで、セカンドライフの世界にInternational Stock Exchange(ISE)という新たな株式市場が、4月27日にオープンしたことをお伝えしましたが、5月23日には、また別の株式市場が新たにオープンしました。

Allenvest International Exchange(AVIX)です。CEOはInvestor Allen(本名Albert Hodges)。リアルライフでは、ニューヨーク州在住の自営のアセットマネジャーだそうです。

上の画像はAVIXの建物です。

同市場の現在の規模は、次のとおりです。

上場企業数 5社
会員数 436名 (6月2日現在) 
一日の取引高 47万4,221.47リンデンドル (約21万5,000円)(6月1日)
取引株式数 35万1,681株 (同上)

(1米国ドル=122.00円=269.532リンデンドル)

上場企業数はまだ少ないものの、取引高で見ると、World Stock Exchange(WSE)の一日の取引高が108万3,373.48リンデンドル(約49万円)(6月4日)ですので、AVIXはかなり健闘していると言えます。

取引手数料は、株式の売却時に3%。これは、WSEと同率です。

なお、AVIXでは、各投資家の口座残高に利息がつきます。現在、日利0.13%(複利)ですので、年利に換算すると60.7%にもなります。以前お伝えしたGinko Financialの金利が現在0.09%(日利)ですから、銀行よりも良いことになります。

上場企業5社のうちの1社はL&L Bank and Trustという銀行です。先日のエントリーでお伝えしましたように、この銀行は、倒産したSecond Life Investment Bankの資産と顧客を引き継いで、L&L Rentals and Sales (LLL)によって設立されたものです。

このL&L Rentals and Sales (LLL) は、現在World Stock Exchange(WSE)に上場されています。どのような経緯と判断があったのかは不明ですが、関係会社であるL&L Bank and Trustが、WSEではなくAVIXに上場されたことは、興味深いことです。

AVIXを経営するAllenvest Investment Capital(AIC)は、現在はAVIXに上場されていますが、もともとはWSEに上場されていました。ところが、5月22日にCEOであるInvestor Allenが、WSEにおける同社銘柄の取引停止を要請し、新しく設立されたAVIXに同銘柄をすべて移してしまいました。そしてAVIXは、このAICを唯一の上場銘柄として、市場をオープンしたわけです。

AICの株主たちから見れば、買い手が全然つかないかもしれない市場に、突然、自分の銘柄を移されてしまったわけですから、Investor Allenのこのやり方に不満を感じた人が株主の中にはいるかもしれません。

なお、ライバルであるWSEは、この新興市場の存在を快く思ってないようです。5月31日に発表されたアナウンスメントの中で、AVIXを次のように非難しています。

Investor Allen ... has been directly approaching them our clients and business associates with lies and false allegations about the WSE ... this start-up exchange has also been soliciting business and spamming WSE customers in WSE buildings ... These business practices are considered extremely unethical and unprofessional by the WSE ...

(抄訳:Investor Allenは、WSEに関する虚偽の情報を流してWSEの顧客に近づき、また、WSEの建物内で顧客勧誘をも行なっている。このようなやり方は、非常に非倫理的でプロにふさわしくないものである。)


★Dreamland Stock Exchange

セカンドライフの女性実業家Anshe ChungがDreamland Stock Exchange(DSE)という株式取引市場を開設しました。まだベータ段階ですが、すでにAnshe Bank Entropia Universe(ABE)という銘柄が上場されており、取引が開始されています。



この株式市場は、セカンドライフの住人のほかに、同じ3Dの仮想世界であるEntropia Universeのプレーヤーも利用できるようになっているなど、他の株式市場とは異なる特徴を備えています。
 
詳しくは後日お伝えします。


★Second Life Stock Exchange JAPAN

日本人投資家をメインターゲットにした株式取引市場開設の動きがあります。

Next Merlinさんを中心に進められているプロジェクトがそれで、今年秋までにSecond Life Stock Exchange JAPANという株式取引市場をオープンする予定だそうです。

場所はKabuというシムで、その中心部に証券取引所の建物が位置します。周りのスペースはレンタル用地とのことで、既にレンタルが開始されています。詳しくはこちら

2007年6月1日金曜日

セカンドライフの規制強化の動き

セカンドライフの世界で明文化されたルールとしては、利用規約(TOS)、および、Big6と呼ばれる住民の行動規範を定めたCommunity Standardsとがあります。

そしてリンデンラボ社は、現在までに公式ブログ等で、上述の2つに関連した同社の方針を、何回かに渡って明らかにしてきました。

5月31日には、公式ブログにKeeping Second Life Safe, Togetherという投稿を掲載し、同社の方針をより明確にしています。

その中で同社は、次のようなコンテンツ及び行為を禁止することを明らかにしました。

1. Real-life images, avatar portrayals, and other depiction of sexual or lewd acts involving or appearing to involve children or minors
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、子ども又は未成年者を巻き込んだ、又は巻き込んでいるように見える性的行為または猥褻行為を扱っているもの)

2. real-life images, avatar portrayals, and other depictions of sexual violence including rape
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、レイプを含む性的暴力行為を扱っているもの)

3. real-life images, avatar portrayals, and other depictions of extreme or graphic violence
(実写の画像、アバターによる描写、及びその他の描写で、極度の暴力または生々しい描写の暴力を扱っているもの)

4. and other broadly offensive content
(その他の露骨に不快感を与えるコンテンツ)

(注:portrayalという言葉には、描写という意味のほかに、舞台で役を演じることという意味もありますので、ここではアバタにーよる行為自体をも含んでいるものと思われます。)

そして、Community Standardsに違反するコンテンツの配布や行為を行なった場合には、アカウント停止等の措置をとるとしています。

1の児童ポルノに関する規制ついては、リンデンラボ社は、すでに同社の方針を過去に明らかにしていますが、2の性的暴力行為、3の極度の暴力行為に関する規制については、今回新たに明らかにされたものです。

今回の件に対する反応ですが、セカンドライフのアダルトコンテンツについての話題を扱っているサイト、PixelPulse Magazineでは、この新たな規制によって、BDSM(隷属趣味、支配趣味、及びSM)や戦闘行為のロールプレイまでもが規制されてしまうのではないかという懸念が表明されていました。

性的行為を含むエイジプレイについては、リンデンラボ社は、3月には非公式な形で、その広告等を禁止し、5月9日には、曖昧な表現ではありましたが、性的行為を含むエイジプレイを正式に禁止しました。

そして今回の告知は、それに対する同社の方針をより明確化したものとも言えます。

これまでの流れから見て、リンデンラボ社は規制を強化する方向に進んでいるようです。しかし、同意した成人同士で行なわれているはずのSMやコンバットゲームにまでも及びかねない今回の規制には、少々驚かされました。"Your world. Your imagination."というセカンドライフの謳い文句を、損ないかねない規制だと思うからです。

また、上述の4の「その他の露骨に不快感を与えるコンテンツ」という禁止事項ですが、あまりにも定義が曖昧で、住民の創作意欲を削ぎかねないもののように思えます。

先日、ドイツのテレビ局がセカンドライフ内の児童ポルノの存在を報道しましたが、リンデンラボ社はその件に懲りて、法的に問題になりそうなものは、事前にすべて規制するという方向に進んでいるのかもしれません。