最近、この隆盛を極めるWSEを追いかけるように、2つの株式市場が創設されました。その一つがInternational Stock Exchange(ISE)です。
上の画像は、ISEの本社建物です。
建物内部にある株価ボードです。まだ、自社であるISE1社のみしか上場されていません。
代表者はCokey Dagger。The Second Life Newspaperに掲載されたインタビュー記事によれば、現実社会での職業はソフトウェア開発者だそうです。ISEを創設した動機について尋ねられた彼は、次のように答えています。
"There needs to be an alternative securities exchange for the residents of Second Life. I sat around and waited to see if another stock exchange was going to offer competition to the WSE, and when none did, I decided that I had to do it. ... Competition is a good thing."
つまり、複数の株式市場が存在し、お互いに競争しあった方が住民のためになると考えたのでしょう。
彼はまた上述のインタビューの中で、ISEの取締役会についても言及しています。それによれば、取締役会は5人の役員で構成され、うち3人は一般の投資家の中から信任投票によって選ばれるとのことです。
今日現在、すでに2人が信任されており、残りの1つのポストについては、投票期間中です。
また、Cokey DaggerのCEOとしての任期は今年末までで、任期の延長については、その時点で取締役会が判断するのだそうです。
なお、市場の透明性を確保する手段についてですが、上場企業に対しては月次決算報告書の提出が義務付けられてはいるものの、それをチェックする仕組みについては、同社サイト上では何も述べられていませんでした。
ISEで取引が開始されたのは4月27日です。それから約1ヶ月経った、5月28日現在のデータは次のとおりです。
上場企業数 1社
IPO中の企業数 3社
会員数 116人 (取引を行なうためには会員にならなくてはなりません。)
1日の取引高 7,750リンデンドル (約3,520円)
(1米国ドル=121.65円=267.8426リンデンドル)
なお、取引手数料(売却時のみにかかります)は、WSEが3%であるのに対しISEは2.5%。また、株式取引を行いたい場合には、事前に株式市場で口座を開き、ATMからその口座にリンデンドルを入金するのですが、WSEの場合は口座の残高に金利がつかないのに対し、ISEの場合は日利0.05%の金利がつきます。複利でつきますので年利にすると約20%になります。
手数料等の面ではWSEよりも有利ではあるもの、上場企業数、取引高ともにまだまだこれからのようです。
ちなみに、WSEの5月28日の取引高は266万4,755リンデンドル(約121万円)でした。
なお、ISEは5月26日より、口座を開いた人のうち先着1,000名に50リンデンドルをプレゼントするというキャンペーンを始めました。ISEの会員に宛てた通知によれば、ISEは創設後、会員獲得のため、広告費にかなりのコストをかけてきたそうですが、会員数の伸びが予想外に低かったため、このようなキャンペーンを始めたのだそうです。
やはり、先んじれば人を制すということなのでしょうか。
セカンドライフのもう一つの新興株式市場であるAllenVest International Exchange(AVIX)については、次回にお伝えします。
5月29日追記:マネーロンダリングについて書いた部分は、別にエントリーを立てました。
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