2007年4月3日火曜日

セカンドライフの株式市場、その2


★World Stock Exchange(WSE)の現状

WSEのオープンにグセレモニーが開かれたのは2007年3月6日。その後、上場企業7社で取引が開始されました。

その後上場企業の数は増え続け、現在の上場企業数(投資ファンドも含む)は29社、IPOを予定している企業は12社です。WSEで取引をしている人は1,216名。


(5月16日追記:上記文章中「IPOを予定している企業」という部分は、「IPO中の企業」と読み替えてください。事実を誤認したままお伝えしたことをお詫び申し上げます。)


上の画像はWSEを経営するHope Capital Ltd.の建物です。WSEはこの中にあります。建物の正面に日本の国旗が掲げられているのが不思議ですよね。経営者がオーストラリア人ということですが、日本と何かつながりがあるのでしょうか?



WSEの様子です。中央にATMがありますので、そこにお金を預け、WSEのWebサイトに登録すると、取引ができるようになります。私がこの画像を撮影したときは、WSEがちょうどサーバー移転のためクローズしてましたので、ATMには覆いがかけられています。


Second Life Insiderが3月8日からWSE関連の数値を掲載していますので、それを拾ってみました。(以下、換算レート 1米国ドル=117.72円)

WSEにおける取引高は次のとおりです。



非常にばらつきが多く、多い日は500万円を超えますが、少ない日は約100万円です。
3月8日から3月30日の平均を計算してみたところ、1万9,265ドル(約226万8,000円)となりました。それに単純に365倍すると、約8億2,700万円。かなりの金額になりますね。


なお、3月31日は、WSEのサーバー移転のため、マーケットは公式にはクローズしていたはずなのですが、実際には、ATMも取引サイトも動いてましたので、取引が成立してしまっています。そのような事情から、上記の平均の計算では3月31日をはずしてあります。


次に、株価の動きです。Second Life InsiderがWSE1000という指数を発表していますので、それをグラフにしてみました。


WSE1000は、全取引高(リンデンドル)/取引された株式*1,000で算出されます。つまり全銘柄についての1,000株当たりの平均株価(単位:リンデンドル)ということになります。


3月8日を基準値として、どのくらい変動してるかをみると、+30%~-34%の幅で変動しています。日経平均などと比較すると、結構大きいように思えます。


ところで、以前にも触れましたように、セカンドライフには会社法などというものはなく、ビジネスを規制する法律は何もありません。ですが、WSEはConstitutionという名称の独自の基準を定め、上場する企業については、その基準にそって、取締役選任などを義務付けています。


また、3月26日には、Securities & Investment Commission(証券取引委員会)を発足させ、今後、上場企業の監督・管理をしていくつもりのようです。


このように徐々に形式を整えつつあるWSEですが、株式市場として今後発展していくためには、まだ、クリアすべき課題があると思います。


一つめは、各企業を比較するための統一された物差しがまだないことです。

現実世界であれば統一された会計基準が存在し、それに沿って作成された貸借対照表や損益計算書を見ることによって、投資家は、各企業を客観的に比較することができます。
しかし、セカンドライフの世界では、そのようなものはまだ整備されていません。投資家は、各企業の目論見書とその他の公表資料しか判断の材料にはできません。


二つめは、株主としての権利が不明確なことです。

そこが曖昧なうちは、現在の株式は、配当をもらうためのただの切符にしか過ぎません。


三つめは、株主を保護する仕組みがないことです。

たとえば、あるアバターが会社を作り、壮大なプランを目論見書で展開してIPOで多額のお金を集め、数日後にはセカンドライフの世界から消えてしまうということも起こり得ることです。その場合、今のセカンドライフの仕組みでは、消えてしまったアバターの持ち主を追跡することは不可能です。

セカンドライフの株式市場は、ただのマネーゲームかもしれません。しかし、仮にゲームであったとしても、そこでのフェアプレイが保証されないのであれば、人々はそのうちに離れていってしまうと思います。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

指数がかなり上下していますが、一部の株の動きが指数を左右しているのかもしれないですね。

ともあれ、毎度参考になる記事です。

sheila6225 Allen さんのコメント...

お読みくださってありがとうございます。

>一部の株の動きが指数を左右しているのかもしれないですね。

そうかもしれませんね。
WSEはもちろん、個々の銘柄の値動きを把握しているんでしょうけど、まだそのようなデータを公開していません。まあ、そのうち公開してくるとは思いますけど。

匿名 さんのコメント...

東インド会社(世界最初の株式会社)とかってこんな感じだったのかな~と思いながら、興味深く拝読しました。

それにしても、会社法も証券取引法もない中で、売買が成立してしまうのが面白いです。

sheila6225 Allen さんのコメント...

anthony55 allenさん
コメントありがとうございます。
なるほど~。RLの世界最初の株式会社も、こんな感じだったのかもしれませんね。

>それにしても、会社法も証券取引法もない中で、売買が成立してしまうのが面白いです。
今のところはギャンブルに近いものがありますよね。