2007年4月16日月曜日

リンデンドルの為替市場、その2・・・為替ビジネスの可能性は?

セカンドライフウォッチさんの「RMT換金系も増加?」という4月14日のエントリーで、日本のネット銀行が為替ビジネスに参入するらしいことを知りました。

そこで、リンデンドルを円建てで売却するという、両替サービスの需要はどのくらいあるのかを考えてみました。

日本円でリンデンドルが買えるようになることは、ユーザーにとっては、とても便利です。しかし、私は、次の理由から、需要はそれほど伸びないのではないかと思います。(以下の推測は、あくまでもLindeXで直接購入するよりも、日本の業者から円で購入する方が、手数料が高くなることを前提としています。)

(なお、私は、SLの世界にいる男性がどのように過ごしているのかは、あまりはっきりとはわかっておりません。ですから、この考察は女性を中心に考えたものということをご了解ください。)


1 セカンドライフの本質は、物づくりとコミュニケーションにある。

SLの本質は、物づくりとコミュニケーションにあると思います。ですから、物見遊山的なユーザーの場合、やがて観光に飽きて、セカンドライフの世界から去っていってしまうと思います。
物づくりの場合は、確かにテクスチャなどの素材のアップロード代はかかりますが、それ以外は、基本的にはお金がかかりません。
人とのコミュニケーションの場合、SLの世界では飲食代がかからないので、コミュニケーションのためのお金というものは、あまり必要ないと思います。


2 SL内で物の購入に使う金額の絶対量が少ない。

SLは物価が安いですから、物にあまりこだわらない人の場合は、キャンピングで稼いだお金で、または、プレミアム会員であれば、毎週支給されるstipendで十分にまかなえてしまうのではないかと思います。

次に、物にこだわる人の場合ですが、いくつかの品目については、消費行動を抑制するような要因が存在します。
まず、洋服は、商品の質に当たりはずれが多いこと、プリム系の洋服の場合は自分の体型にぴったりフィットさせるには手間がかかることなどから、ものすごくこだわる人の場合は、自分の好みに合うものを自作する方向に行ってしまうのではないかと思います。
ヘアーは、個々のアバターの頭のサイズ、形がさまざまなことから、自分に本当に合うものを見つけるのがかなり難しく、数多くのデモを試した挙句に、購入に至らないケースがかなりあると思います。
スキンは比較的高価ですが、スキンを変えると顔の印象がかなり変わってしまいますから、スキンを頻繁に買うケースは少ないのではないでしょうか。
家はプリム数の問題から選択肢が限られてきますので、何回も買い替えるケースは少ないと思います。


3 日本人居住区の場合、土地のレンタル料は円で支払うところがほとんどである。

日本語版がリリースされてからSLの世界に入ってくるユーザーは、やはり英語が苦手という人が多いと思われますので、土地を借りる場合は、日本人居住区でということが多いと思います。その場合レンタル料は円で支払いますので、リンデンドルは必要ありません。
メインランドで土地を購入したり、他の島で土地を借りたりするユーザーならば、直接LindeXでリンデンドルを購入するのではないでしょうか?


4 SLの世界で目立つサービス産業はアダルトとカジノであるが、日本人がそこで使うお金は少ない。

SLのアダルト産業は、アバター及びチャットという、かなり特殊な形態なので、普通の日本人男性にとってはあまり魅力的ではないもののように思います。それに、そこでサービスを提供する人は、ほとんどが外国人なので言葉の壁があります。
カジノについては、日本からですと他の選択肢がいろいろあるようなので、カジノ目当てにSLに来る人は少ないのではないかと思います。


以上が、私のSLから今までに受けた印象に基づく推測です。2と4に関しては、異論も多々あるかと思います。

特に2に関しては、物価の安さに引きずられて、女性がバイイングパワーを発揮する方向に行くのか、それとも上述の抑制的な要因により、それが抑えられてしまうのか、見方が分かれると思います。

女性はセカンドワールドの世界に入った途端、現実世界では決して着ることのできないような洋服をたくさん買い込むかもしれません。けれど、それは「自分を表現したい」という欲望の表れであり、人間にとっては根源的なものですから、長期的にはそれが物づくりの方向に向かっていくのではないかと私は思います。

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