最近、リンデンラボ社が初めてAge Playに関して同社の方針を明らかにしました。Age Playというのは、子どもの姿のアバターになって、子どものように振舞うことです。その姿で性的な行為をすることも含みます。
今回の件については、いろいろなサイトで報じられてますが、SECOND LIFE HERALDが伝えた内容の概略は次のとおりです。
リンデンラボ社が、3月7日、ある特定の人々にノートカードを送るという形で、Age Playに関する同社の方針を表明しました。そのノートカードの中で、リンデンラボ社は、Age Playに関連した広告やプロモーション活動等をpublic forum(公共の場)で行うことを禁止し、これに違反した場合はアカウントに対する制裁措置を行うことを明らかにしています。
この記事に対しては、現時点で124ものコメントが投稿されており、影響の大きさが窺われます。
同社がこのような方針を決定したのは、世界各国の児童ポルノ禁止法を意識したためと思われます。オランダの性犯罪担当の検察官が、同社を訴えるつもりであることを、同社がこの決定を行う約2週間前にThe Registerが報じていたからです。
今回の件では、2つの大きな問題点が見えてきます。
1. ヴァーチャルな児童ポルノについて、米国における児童ポルノ禁止法と表現の自由の関係。
米国では、ヴァーチャルな児童ポルノをも禁止の対象とした「1996年児童ポルノ禁止法」の合憲性が最高裁で争われ、2002年に、ヴァーチャルな児童ポルノの禁止は表現の自由を保障した憲法に違反するという判決がでています。それについて詳しく書いてあるサイトはこちら。
その後、2003年にPROTECT Act of 2003が成立し、ある一定の要件のもとでのヴァーチャルな児童ポルノが禁止されたようです。それについて書いてあるサイトはこちら。
セカンドライフでは、13歳から17歳までの人が参加できるエリアと、18歳以上の人が参加できるエリアが分けられています。従って、大人向けのエリアで行われてる性的なAge Playは、大人が操作するアバター同士で行われているはずです。その場合のAge Playは、PROTECT Act of 2003で禁止されているヴァーチャルポルノに当たるのでしょうか? それとも、2002年の最高裁判決で認められた表現の自由に該当するのでしょうか?
ところで、SLでは年齢認証システムがありませんので、子供であっても、年齢を偽って登録すれば、大人のエリアに入ることができます。そうやって大人のエリアに入った子どもが性的なAge Playに参加する可能性はあります。
2. 国によって、ヴァーチャルな児童ポルノに対する規制が異なるという状況下で、ヴァーチャルな児童ポルノを扱うインターネットの世界がどのような規制を受けるのか?
2005年にカナダで、日本からアダルトマンガ雑誌を輸入した26歳の若者が児童ポルノ罪で有罪判決を受けています。(情報元:アニメ!アニメ!) カナダではヴァーチャルな児童ポルノも違法とされ、所持することさえも禁止されています。
カナダ人がセカンドライフの中で性的なAge Playをしたら、捕まるのでしょうか?
セカンドライフの中でのヴァーチャルな児童ポルノの扱いについてはどう考えたらよいのか、正直わかりません。ただ、リンデンラボ社は、ノートカードを一部の人たちだけに配布するというような方法ではなく、セカンドライフの全参加者に向けて、同社のAge Playに対する方針を表明すべきだったと思います。
ところで、リンデンラボ社が前述のノートカードを配布した後、Age Playを行っているグループは、自分たちのグループの説明文をAge PlayからRole Playに変えているそうです。
2007年3月11日日曜日
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