2007年3月20日火曜日

キャンピング施設--設置側の事情

ある日私は、検索パネルで、"new open"をキーワードにして見つけた場所へとテレポートしてみました。着いた先は、中規模のショッピング街。石畳の道の脇には、「貸します」という看板のかかった空き店舗がたくさん並んでいます。テナントが入っている店舗はほんの数えるほど。街の中心部には、クラッシックな雰囲気の、大き目のカフェがありました。

検索パネルに表示されたその場所の記述にはcampingと記されていたのですが、辺りを見回してもそれらしいものは見当たりません。私はカフェへと向かいました。

重々しいドアを開け、カフェの中へ足を踏み入れると、予想どおりダンスパッドがあります。たった二つしかありませんでしたが、誰も踊っていません。やはり、オープンしたばかりで、まだ知られていないからかな・・・と思いつつ、パッドに近寄っていった私は、その支払額のレートを見て驚きました。3L$/8分だったからです。それまでに見たものの中で、一番高いレートです。

私は、早速キャンプを開始しました。誰も来ないまま、ひとりで踊り続けること、約2時間。50L$稼いだところでダンスパッドはオフになってしまいました。「本日の支払額の上限に達しました」という表示がでています。でも、まだもう一つのパッドが残っています。私は、もう片方のパッドで再び踊り始めました。

翌日、私はまたそのカフェを訪ねました。室内に設置された、たった一台のスロットマシンの前に男の人が座っています。でも、踊っている人は誰もいません。私は昨日と同じように、パッドの上で踊り始めました。そして、これまた昨日と同様に、二つのパッドを踊りきりました。

その翌日も、カフェを訪ねてみました。相変わらず、踊っている人はひとりも見当たりません。ですが、ダンスパッドが、昨日とは少し異なる位置にあります。不思議に思いながら近づいてみると、2L$/10分という表示が出ています。ここのオーナーが、昨日のうちに設定を変更したようです。2L$/10分というのは、ダンスパッドとしては並のレートです。私は、もっとレートの良い場所へ向かうため、その場を去りました。

数日後、もしかしたら、またレートが元に戻されているのではないかという淡い期待を抱き、私はカフェのある場所へとテレポートしました。

到着してみて驚きました。すべての建物が跡形もなく消え、野原が一面に広がっていました。

さて、以前のブログでも書きましたが、現在は、訪問者数に応じた報奨金が土地のオーナーに支払われる制度は廃止されています。ですから、土地のオーナーが、自分の土地にキャンピング施設を設置する第一の目的は、客寄せです。

キャンピングに惹かれて多くの人がやってくれば、その土地にあるショップの存在を人々に知ってもらうことができます。また、貸し店舗業を営んでいるのであれば、訪問者数の多い場所ということで、テナントを集めやすくなるでしょう。ですが、上記のカフェのケースからもわかるとおり、ただキャンピング施設を設置すれば、それでよいというわけでもなさそうです。

上記のケースですが、失敗の原因の一つは、ダンスパッドの設置場所にあったと思います。ドアを開けて入らなければいけない場所で、しかもそれがカフェである場合、普通の人はあまり積極的には入っていかないものです。

訪問者数の増加を目論んでダンスパッドに破格のレートを設定したものの、思ったほど人が集まってこない。テナントもまだほとんど集まっていない。ならばということで、オーナーはさっさと撤退したのでしょうね。

さて、普通は、キャンピング施設の支払いレートが高ければ高いほど、それを目当てにより多くの人が集まるはずです。ところが、レートがよければよいほど、一人のキャンパーが長時間居座ってしまう可能性も高くなります。ですから、オーナー側から見れば、キャンプ代をたくさん支出したのにもかかわらず、訪問者数が思ったほど伸びなかったということもあり得るわけです。

キャンプ代として支出する金額の費用対効果を上げるために、土地のオーナーは次のようなさまざまな手段をとっています。

1 キャンピングの持続時間に上限を設ける・・・キャンピング時間が一旦終了したときに、人が入れ替わることが期待できます。また、人の入れ替えをさらに促すため、キャンピング時間が終了した後、一定時間オフになるキャンピング施設もあります。持続時間の上限ですが、短い方では10分というところもありました。

2 キャンピング施設一台あたりの1日の支払い額に上限を設定する・・・これにより、支出の管理が確実にできます。

3 キャンパーそれぞれにつき、1日あたりの支払い金額に上限を設ける・・・キャンプマスターが、この方法をとっています。これにより、確実に人の入れ替わりが期待できます。

4 キャンプの最中に、キャンパーの意思確認を行なう・・・キャンピングの途中でウインドウが開き、キャンパーに、キャンプを続ける意思があるかどうかを質問してきます。「はい」のところをクリックしなかった場合、キャンパーはそのキャンピング施設から、強制的に追い出されてしまいます。こうすることにより、AFKでキャンピングしている人を排除し、新たなキャンパーを迎え入れることができます。

とある新規開店のジュエリーショップで、キャンピングチェアを見つけたことがあります。それには5L$/10分という非常に高い支払いレートが設定されていました。ところが、意思確認の質問を10分毎にしてくるので非常にわずらわしく、私はそこでのキャンピングを短時間で切り上げました。

キャンピングする側から見れば、高いレートでより長時間キャンプできる施設の方が魅力的です。しかし、オーナー側が上に挙げたような手段をとればとるほど、キャンプする側にとっては、その施設の魅力が少なくなり、結果的に、人が集まりにくくなります。オーナーにとっては、さじ加減の難しいところです。

キャンピング施設は、客寄せのためにあると書きましたが、訪問者数を増加させるためだけに設置されるのではありません。キャンピング施設は顧客の囲い込みにも使われています。私の知る限りでは、主にクラブで顧客囲い込みのために利用されています。

その方法ですが、キャンピング施設をグループメンバーだけしか利用できないように設定し、キャンピングを希望する人には、まずはグループに加入してもらいます。


グループには、そのメンバーに通知を一斉に送る機能がありまので、これを利用して、クラブオーナーは、再訪を促すためのお知らせを、グループメンバーたちに送るのです。例えば、「サルサダンス大会をします」とか「6L$/10分のキャンピングチェアを期間限定で設置しました」というようなものです。

クラブには、エスコートやダンサーの女性たちがいます。お客さんたちにより頻繁に足を運んでもらうことでその女性たちとお客さんとの間の親密化を図り、顧客を定着させ、クラブの売上げを安定させようとしているのだと思われます。

ところで、クラブ経営の収益構造がどのようになっているかは、私は、実はまだ良くわかっていません。ただ、キャンピングの言葉につられてテレポートした先が、内装は豪華だけれども、人っ子一人いないクラブだったということはよくあります。このことからクラブ経営がそう簡単ではないことが窺えます。

カジノにもキャンピングチェアが置いてありますが、それらは物販店やクラブにあるものとは、少し事情が異なります。それについては、また別の機会に。


2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
私はほとんどカジノのキャンプしか使用しないので、とても興味深かったです。
私が体験した事ですが、3L$/10msと高設定な所が空いていたのでしめしめと思い、30L$貯まるまで座ったのですが、その後立ち上がってもまったくお金がもらえないなんて所もありました。
キャンプが客寄せになるかどうかはいまいち疑問ですし、これからは少なくなっていくんでしょうかね。

sheila6225 Allen さんのコメント...

hatenaさん、お読みくださってありがとうございます。

故障ってときどきあるんですよね。残念でしたね。私も何回か経験済みです。

損する場合だけじゃなくて、得する場合もありました。この前は、座ったとたんに48ドルearnedの表示が出てピックリ。さすがにそのお金は返しました。

ところで、すでにご存知とは思いますが、誰も見当たらない商店街というのがSLにはたくさんあります。キャンプ以外の客寄せの有効な手段はまだ無いようなので、これからもキャンプは続くような気がします。