2007年3月23日金曜日

セカンドライフ最大の銀行、Ginko・・・その1

セカンドライフ内のさまざまな場所でGinkoという名のATMを見かけて、おやっと思われた方も多いと思います。Ginko=銀行を想像しますよね。

実は、そのとおりなのです。セカンドライフ最大の銀行と言われているGinko Financial がATMを所有・運営しているのです。

Ginko FinancialはNicholas Portocarreroによって設立・運営されました。明確な設立時期は不明ですが、2004年末ごろにはすでに営業を行なっていたものと思われます。

創設者であるNicholas Portocarreroは、今のところ、本名も住所も一切明らかにしていません。セカンドライフのプロフィールから、登録日が2004年7月13日であることがわかるのみです。

この銀行については、ponzi scheme(ネズミ講)ではないかという噂があります。そこで、この銀行について調べてみることにしました。

★現地調査

まずは、サーチパネルで発見した、GinkoというシムにあるGinkoという場所を訪ねました。



ご覧のとおり、ATMがあるだけです。土地のパネルから、ここは、Ginko Technologiesというグループによって所有されていることがわかります。このGinko TechnologiesはGinko Financialのシステムを担当していますので、関連があると思われますが、それ以上は不明です。

次に、この建物の外に出てみました。


何の飾り気もない建物です。



上の画像は、先ほどの建物の上空に設置された土地で撮ったものです。



マップ上で見たところ、Ginko、Ginko Hills、Ginko Valleyと3つのシムが並んでいます。これらの3つのシムの中を飛び回ってみましたが、野原の中に建物がところどころにあるばかりで、Ginko Financialの本社と思える建物はありませんでした。ですが、銀行業務にはATMさえあれば建物は不要ですから、立派な本社がなくても当然かもしれません。


3つのシムのあちこちの場所で所有者を確認してみたところ、大部分は、Ginko Technologiesによって所有されていました。


★Ginko Financialの公式サイトからの情報


次に、Ginko Financialの公式サイトをあたってみました。そこで得られたデータの主なものは次のとおりです。(換算レートは1米国ドル=268リンデンドル=117円)

預金残高合計: L$123,911,338 (約5,400万円)

口座数合計: 14,539

1時間当たりの平均取引回数: 47.46回

過去7日間の取引高: L$54,992,336 (約2,400万円)

過去7日間の新規開設口座数:: 223

預金金利:0.09%/日 (年利換算38.8%)

1日あたりの預金引き出し限度額: L$300,000

ATM台数: 312台

(2007年3月21日現在)


ちなみに、口座数が2,000を超えたのは2005年10月でした。これを、SL全体の登録者数の伸びと比較してみると、2005年10月から現在までに、登録者数は69倍に増加したのに対し、Ginko Financialの口座数は7.2倍にしか増加していません。


注目すべきは、やはり預金金利です。年利38%は非常に高金利です。しかし、Ginko Fiancialは、過去にはもっと高い金利を払っていました。2005年10月の時点で、0.19%/日。これは年利に換算すると、99.9%にもなります。


2005年10月と現在とを比べると、預金金利は約半分になっています。これはこれで、非常に大きな下げ幅だと言えます。しかし、それでもなお、現在の金利である0.09%/日(年利換算38%)は、常識では考えにくい数字です。


これだけの利息を預金者に支払うためには、Ginko Financialが何らかの高収益の事業を行い、利息に充てる資金を調達してこなければなりません。普通の銀行であれば、預金金利を上回る利率で、企業や個人に貸付を行なって、その資金を調達します。しかし、Ginko Financialは貸付業務を行なっていません。

では、どうやって、預金者に支払うべき利息を調達しているのでしょうか?


実はそれについては、明らかにされていません。その辺の事情については、次回に記します。

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