2007年3月24日土曜日

セカンドライフ最大の銀行、Ginko・・・その3

★Nicholas Portocarreroの発言

2006年10月12日のロイターのインタビュー記事をベースに、Nicholas Portocarreroの発言から、今まで明らかになったことをまとめてみました。

1. Ginko Financialは、貸し出しは行なっていない。集めた預金は投資に使っている。

Ginko Financialの公式サイトのAbout Usというページには事業内容の説明があり、「信用のおける団体や個人に貸付を行なう」と記載されています。Nicholas Portocarreroのインタビューにおける発言は、明らかにこれと矛盾しています。

2. Ginko Financialは預金残高の約5%にあたるリンデンドルを、日々の取引に充てるために保有している。そのほか、ドルも保有しているが、ドルは決まった金額ではない。ドルは時々、Lindexで取引している。

95%は投資に回されているということになりますが、何に投資しているのでしょう?

3. ネズミ講ではないかというロイターからの質問に対して、Nicholas Portocarreroは次のように答えています。

「私は、そのような非難(ネズミ講ではないかと言う非難)に対して、うまく反論することができない。」
「私は正直だ。私が情報開示をしないことで、また、何の監督も受けていないことで、人々が私に不快感をもっているかもしれないことを理解している。しかし、私の方でも、情報開示をしたり監督を受けることに対して不快感を感じるのだ。これは取引だ。もし人々がリスクをとりたくないのならば、(この取引に)近づかないでいることもできるはずだ。」

このロイターとのインタビューにおいて、Nicholas Portocarreroは何度も相手をはぐらかすような回答をしています。そのはぐらかしぶりは、注目に値すると思いますので、是非、原文に目を通されることをお勧めします。


4. アンシェ・チャンが立てたスレッドのへの2005年11月16日の投稿で、Nicholas Portocarreroが次のようなことを書いています。(数字付きの部分がアンシェ・チェンの投稿からの引用で、かぎカッコの部分が彼の言葉です。)

引用:7. 彼の最大の投資先は”ウェッブサイト”である。

「それは、正確には正しくない。現在はそれが中心であるが、これはいかなることとも関係がない。ウェッブサイトでも、他のものと同じように収益性が高いものもある。」(筆者注:少し意味不明な発言です。)

引用:11. 南アメリカの銀行は、Ginkoのオーナーにお金を貸そうとしない。そのため、彼は、自分のウェッブサイトのプロジェクト用の資金を、セカンドライフの中で調達することを強いられている。

「南アメリカのことについて説明させてくれ。・・・中略・・・銀行は、個人への貸付には興味を示そうとしない。政府が有利な金利でお金を借りてくれるし、ここでは貸付が焦げ付くのは普通のことになっている。給与の前借として、月利1%くらいで1000ドルくらいなら借りられるかもしれないが、それ以上はあり得ない。また、ここで得た金は、国外へ持ち出すことができない。そしてその国で、私はginkoのすべてのお金を投資している。為替の規制のせいで、私はルーマニアにいるプログラマーや、米国にいる顧客にお金を支払うことができない。」

引用:12. Nicholasが人々から取ったお金を使って行なった”投資”の収益について、情報がまったくない。
13. Nicholasが過去に本格的な投資を行なって利益を得たという情報はまったくない。

「・・・・・情報は開示していないし、これからも開示することはないだろう。このことが私が銀行を利用しない理由の一つだ。銀行はあまりにもたくさんの情報を要求し、人々のフレキシビリティを奪ってしまう。私は、私のことを監視する新たなパパやママは必要としてないし、欲しくもない。」

Nicholas Portocarreroの発言を読むと、彼が自国内の銀行からはお金を借りられなかったことが推測できます。
引用11への返答で、彼は、国の為替規制のことに触れています。ここで得た金は国外へ持ち出すことができないと述べたうえで、その国でGinkoの金をすべて投資していると述べています。とすれば、投資で増えたお金をどうやって、SL内に戻すつもりなのでしょうか?


5. Ginko Financialの公式サイト内に、会員用のフォーラムがありますが、そこの2006年9月2日の投稿の中でNicholas Portocarreroは次のように書いています。

引用:銀行に預け入れられたリンデンドルが具体的にどこに行くのか興味があります。
「それは、プライベートな情報なので、明らかにするつもりはない」


以上の発言を総合して見てみると、Nicholas Portocarreroが一貫して情報開示を拒む姿勢を見せていることがわかります。本当は投資で儲けているのだけれども、非合法なことが絡んでいるから情報開示しないのか? または、全然儲けていなくて、新たに獲得した預金者の預金を、利息の支払いに充てるという、ネズミ講方式で運営しているから情報開示しないのか? 単に情報開示が嫌いなだけなのか? 謎です。

なお、SLのプロフィールで、Nicholas Portocarreroの画像を確認することができますが、Ginko Financialの会員用フォーラムに掲載されている彼の画像は、プロフィールのものとは異なり、王冠をかぶっています。
ユーモアがきついのか、それとも自己顕示欲が強いのか・・・。

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