★気になる最近の動き・・・GIF
Ginko Financialの公式サイトのトップベージに、Ginko Investment FundをWorld Stock Exchange(WSE)に上場したというアナウンスが2007年3月15日付で掲載されています。またGinkoの預金者にその購入を強く勧める主旨のことが述べられています。株式でもないのに、WSEで取引されるということに興味を覚えた私は、GIFについて調べてみました。
WSEのサイトでは、上場されている各銘柄の目論見書が見られます。Investment Fund(以下GIFと記載します)の目論見書によれば、GIFは、言わば株式投資ファンドです。投資家から資金を集め、その資金をWSEに上場されている株式で運用するというものです。各株式から得られた配当金はファンドに組み入れられる、いわゆる無分配型です。ファンドマネジャーはNicholas Portocarreroで、マネジメントフィーとして、毎月1日にファンドの総資産額の0.1%が彼に支払われます。
GIFの運用報告書もありました。それによれば、3/11に、1口1リンデンドルで、計1,000,000口分の資金が払い込まれ、上場手数料の3%を引いた970,000リンデンドルがGIFに入りました。その資金でGIFはさまざまな株式を購入し、ファンドが開始されました。それ以降ほぼ毎日、End of Day Report(日報)が提出され、ファンドが保有する株式の銘柄と株式数、現金、それらを合計した時価総額、及びファンドの総口数と一口当たりのNAV(純資産価値)が報告されています。そして日報の最後の方には、一口当たりのNAV+3%(上場手数料)の金額で、追加の口を売り出すことが記されていました。
これらの資料を見た限りでは、GIFは非常に透明性があるように見えます。
Ginko Financialの公式サイトのフォーラムにGIFのスレッドがありましたので、それにも目を通して見ました。そこでは、Nicholas Portocarreroが一般投資家からの質問に答えています。
ある一般投資家から、株式配当が分配されないのに、どうやって投資家は利益を得るのかという質問がありました。それに対して彼は、キャピタルゲインだと答えています。
キャピタルゲインを得るためには、ファンドの中の自分の持ち分をお金に換えなければなりません。一般の投資信託であれば、通常は、持ち分を解約する、または持ち分を信託会社に買い取ってもらうという方法で換金できます。私はそこで再度、目論見書に目を通してみましたが、持ち分の償還については何も記されていません。もし、持ち分を償還してもらえないのであれば、換金するためには、自分の持ち分をWSEで他の投資家たちに売らなければなりません。
その時私は、End of Day Reportの最後の方に、追加売り出しのことが記されていたのを思い出しました。換金のため、自分の持ち分をWSEで売ろうとするときに、GIFが追加売り出しをしていたならば、売却価格が下がってしまうのは必至です。
私は各End of Day Reportに記された総口数をチェックしてみました。それは次のようになってました。
口数 GIFの資産の時価総額
3月11日 1,000,000 970,000.00
3月12日 1,000,000 1,046,138.54
3月13日 3,897,456 4,292,902.74
3月14日 3,897,456 4,743,579.23
3月15日 4,540,617 5,369,497.59
3月16日 4,586,023 5,523,368.55
3月17日 4,636,023 5,733,865.14
3月18日 4,886,545 6,184,808.34
3月19日 5,885,441 6,685,790.08
3月21日 5,888,087 6,685,912.89
3月22日 5,937,613 6,073,556.51
つまり、GIFは次々と持ち分を追加発行して売り出し、誰かがそれを買っているのです。
GIFの仕組みに疑問を覚えた私は、フォーラムで、償還の有無と、これから何回追加売出しをするつもりかを尋ねてみました。
彼の答えは、「償還はない」、追加売り出しについては、「as many as possible(できるだけ何回も)」というものでした。
この彼の回答に対し、私と同様の思いを抱いたらしい他の人から、追加売り出しに疑問を呈する書き込みがありました。それに対して彼は、「ファンドの口数が増えれば、それによってファンドが管理する資産が増えることになる。ファンドの口数が増えることが出資者の不利益になることはない。まったく逆で、より流動性のあるマーケット(more liquid market)を出資者たちに提供することになる」と答えています。
私は証券については詳しくありませんので、流動性云々という彼の言い分が果たして妥当なものかどうか、判断がつきません。これにについては、これを読んだどなたか詳しい方に、是非ご意見を頂きたいと思います。
ただ言えることは、このGIFは非償還型ですから、Nicholas PortocarreroがGIFを追加で売れば売るほど、GIFに新しい資金が流れ込み、彼が管理する資金が増えるわけです。そして、その資金が株式の購入に充てられるわけですから、株の需要が増え、株価が上昇する可能性もあるわけです。
ちなみに、WSEの過去24時間の取引額を見てみると、L$5,148,739.31です。GIFのファンドマネージャーとしてNicholas Portocarreroが現在、管理している額は、それを上回るものです。彼が管理している資金を動かせば、株価操作も可能なのではないでしょうか?
ファンドマネジャーとしてのNicholas Portocarreroの取り分は、年間で1.2%ですから、それほど多いとも思えません。また、彼自身が、このファンドを何口か購入していたとしても、換金時のリスクを考えると、それほど儲かるとも思えません。彼がこのファンドを始めた理由は、セカンドライフの世界で新しいことを人に先駆けてやりたいという、彼の名誉欲なのでしょうか? それとも何か別の目的があるのでしょうか?
★最後に
いろいろ調べてみましたが、Ginko Financialについては、結局のところ、かなり不透明なことがわかっただけで終わってしまいました。
これまでに得た情報を総合して考えてみると、Nicholas Portocarreroが、ちょっとした思いつきで始めたGinko Financialが、SL人口の増加に伴って本人の予想を超えて事業が拡大し、ここまで来てしまったように思えます。俺は銀行屋さんごっこをしているだけなんだ・・・と彼が考えているような気がしてなりません。
さて、セカンドライフの世界には銀行と称するところがまだ他にもあります。Ginko Financialに匹敵する高金利の利息を払っているところもありますし、透明性を謳っているところもあります。
今後は、Ginko FinancailとGIFの行方を見守りつつ、他の金融機関の実情を調べてみようと思います。
2007年3月25日日曜日
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